カテゴリ: Linuxコマンド集 更新日: 2025/10/23

pwd -Lオプションの使い方を完全ガイド!シンボリックリンクをそのまま表示する方法を初心者向けに解説

pwd -Lオプション|シンボリックリンクをそのまま表示する論理パスの確認
pwd -Lオプション|シンボリックリンクをそのまま表示する論理パスの確認

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「Linuxで、シンボリックリンクっていうのを使ってるんですけど、pwdで見ると違うパスが表示されることがあるんです…」

先生

「それは pwd が実体のパス(物理パス)を表示しているからかもしれませんね。リンクとしての見た目を保ちたいときは pwd -L を使うと良いですよ。」

生徒

「見た目を保つ?どういうことですか?」

先生

「では、シンボリックリンクと pwd -L の関係について、分かりやすく説明していきましょう!」

1. シンボリックリンクとは?

1. シンボリックリンクとは?
1. シンボリックリンクとは?

Linuxでは、あるディレクトリやファイルへの“近道”を作ることができます。これをシンボリックリンク(symbolic link)と呼びます。

Windowsでいう「ショートカット」と似たようなもので、別の場所にあるファイルやフォルダを指し示すリンクのことです。

たとえば、/home/taro/projects/current/var/www/html へのシンボリックリンクになっている場合、見た目は「projects/current」にいても、実体は「/var/www/html」なのです。

2. pwdコマンドとpwd -Lの違い

2. pwdコマンドとpwd -Lの違い
2. pwdコマンドとpwd -Lの違い

pwd には、実はオプションがあります。

  • pwd -P物理パス(Physical path)=リンクをたどった実体のパスを表示
  • pwd -L論理パス(Logical path)=リンクとしての見た目のパスを表示

つまり、pwd -L は、あくまで「見た目の通り」にパスを表示するという意味になります。

3. pwd -Lを実際に使ってみよう

3. pwd -Lを実際に使ってみよう
3. pwd -Lを実際に使ってみよう

次のようにシンボリックリンクのある場所に移動して、pwdpwd -L を比較してみましょう。

たとえば、~/linkdir/var/data のシンボリックリンクだとします。


cd ~/linkdir
pwd
/var/data

これは実体の場所(物理パス)を表示しています。一方、-L オプションを使うと:


pwd -L
/home/taro/linkdir

このように、リンクをたどらずに「元のリンクの名前」が表示されます。

4. なぜ論理パスが必要なのか?

4. なぜ論理パスが必要なのか?
4. なぜ論理パスが必要なのか?

「シンボリックリンクのままのパス」を知りたい理由はいくつかあります。

  • 作業中のリンク名をそのまま表示して、スクリプトや設定と整合性を保ちたい
  • 見た目上の構成(ユーザーが意識するリンク構造)を確認したい
  • 運用上、物理パスではなく論理的な「プロジェクト名」などを保持したい

こうした理由から、pwd -L は現場でも意外とよく使われています。

5. デフォルトはpwd -L?

5. デフォルトはpwd -L?
5. デフォルトはpwd -L?

多くのLinux環境では、オプションを指定せずに pwd を実行すると、デフォルトで -L の挙動になることが多いです。

しかし環境や設定によっては pwd-P(物理パス)で動作することもあるため、明示的に -L を指定する習慣をつけておくと安全です。

6. 論理パスと物理パスの比較まとめ

6. 論理パスと物理パスの比較まとめ
6. 論理パスと物理パスの比較まとめ

以下のように使い分けましょう。

  • pwd または pwd -L:リンクの見た目をそのまま表示(論理パス)
  • pwd -P:リンクを解決して実体の場所を表示(物理パス)

どちらを使うかは、「自分が知りたいのはリンクの名前か、実際の場所か」で判断しましょう。

7. よくある間違いや注意点

7. よくある間違いや注意点
7. よくある間違いや注意点
  • スペルミス: pwd -l(小文字のL)と pwd -1(数字の1)を間違えるとエラーになります。
  • シンボリックリンクがない状態で -L を使っても、pwd と結果は変わりません。
  • スクリプトや自動処理では -L の指定が明示的である方がバグを防げます。

8. pwd -Lは「見た目の住所」を知るためのコマンド

8. pwd -Lは「見た目の住所」を知るためのコマンド
8. pwd -Lは「見た目の住所」を知るためのコマンド

Linuxに慣れてくると、ディレクトリをリンクでつないで、複数の場所を仮想的に構成する場面が増えてきます。

そんなとき pwd -L は、「自分がどのリンクから入ってきたのか」という“見た目の経路”を確認するためにとても役立ちます。

まるでナビアプリで「通ってきた道」を確認するように、pwd -Lを使えば「シンボリックリンクをたどる前の名前のまま」で今の場所がわかるのです。

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