lsコマンドの-rオプション|逆順(降順)でファイルを並べる方法を初心者向けに解説!
生徒
「lsコマンドでファイルを表示すると、いつも同じ順番ですよね?」
先生
「はい、基本はファイル名のアルファベット順(昇順)で並んでいます。」
生徒
「逆の順番、つまりZからAみたいに並べたいときはどうすればいいんですか?」
先生
「そのときは-rオプションを使えばOKです。逆順(降順)で表示されるようになりますよ。」
1. lsコマンドとは?
lsコマンドは、Linuxでファイルやディレクトリの一覧を表示するための基本中の基本コマンドです。今いるディレクトリの中にあるファイル名を確認したいときに使います。
特にオプションをつけない場合は、アルファベット順(A → Z)で横に並んで表示されます。
ls
Document Music Picture Video a.txt b.txt c.txt
2. -rオプションの使い方
-rオプションをつけると、lsコマンドの並び順が「逆」になります。つまり、アルファベット順ではZ → A、数値順なら大きいほうから小さいほうへ、というように表示される順番が反転するのです。
ls -r
c.txt b.txt a.txt Video Picture Music Document
このように、ファイルやディレクトリの表示順が「降順」に変わります。
3. なぜ逆順で表示したいの?
逆順表示は、次のようなシーンでとても役立ちます。
- 最近追加したファイルが最後尾に並んでいて、確認しづらいとき
- ファイル名に日付や番号があり、新しいものを先に見たいとき
ls -ltなどで更新日時順に並べた結果を逆順で見たいとき
たとえば、更新日時順(-t)と一緒に使えば、「古い順」に並べることもできます。
ls -ltr
-rw-r--r-- 1 user user 800 Sep 10 09:00 a.txt
-rw-r--r-- 1 user user 600 Sep 12 14:30 b.txt
-rw-r--r-- 1 user user 1200 Sep 15 16:00 c.txt
4. -rオプションと他のオプションを組み合わせよう
ls -rは単独で使うこともできますが、他のオプションと組み合わせて使うことで、さらに便利になります。よく使われる組み合わせは次の通りです。
● ls -lr(詳細情報と逆順)
ファイルの詳細(パーミッション、サイズ、更新日時など)を逆順で確認できます。
ls -lr
-rw-r--r-- 1 user user 1200 Sep 15 16:00 c.txt
-rw-r--r-- 1 user user 600 Sep 12 14:30 b.txt
-rw-r--r-- 1 user user 800 Sep 10 09:00 a.txt
● ls -la -r(隠しファイルも含めて逆順)
隠しファイルも含めて、逆順で表示することができます。
ls -la -r
-rw-r--r-- 1 user user 220 Sep 15 10:00 .bashrc
drwxr-xr-x 2 user user 4096 Sep 15 09:00 test
-rw-r--r-- 1 user user 100 Sep 14 11:00 index.html
drwxr-xr-x 3 user user 4096 Sep 14 10:00 .
drwxr-xr-x 5 user user 4096 Sep 13 15:00 ..
5. -rオプションの「r」は何の略?
-rの「r」はreverse(リバース)の頭文字で、「逆順」の意味です。英語のreverse(リバース)は「ひっくり返す」「反転させる」という意味で、並び順を逆にするイメージと一致します。
コマンドオプションを覚えるときに「意味のある英単語の頭文字」を意識すると覚えやすくなります。
6. 昇順と降順って何が違うの?
ここで、「昇順」と「降順」という言葉についても確認しておきましょう。
- 昇順(しょうじゅん): 数字や文字が小さい順、A → Z、0 → 9 など
- 降順(こうじゅん): 数字や文字が大きい順、Z → A、9 → 0 など
lsコマンドは通常「昇順」で並びますが、-rオプションを使えば「降順」で表示できます。
7. ls -rを使った便利な活用例
たとえば、ファイル名が数字で並んでいる場合、逆順にすると最新のものから確認できます。
ls
log1.txt log2.txt log3.txt
ls -r
log3.txt log2.txt log1.txt
また、更新日時と逆順(ls -lt -r)を組み合わせることで、「古いファイルから順に表示する」ことも可能になります。
8. オプションの順番に注意しよう
lsでは、オプションの順番は基本的に自由です。ls -lrでもls -rlでも結果は同じです。ただし、見やすさや慣習としてls -ltrやls -larのように並べることが多いです。
まとめ
lsコマンドの中でも特に使う頻度が高い-rオプションは、逆順で表示できるというシンプルな仕組みでありながら、実務や日常の作業で非常に役立つ場面が多い重要な機能です。ふだん何気なく使っているlsコマンドも、順番を逆にするだけで見え方が大きく変わり、目的のファイルを素早く見つけられるようになります。ファイル名がアルファベット順に整列しているとき、その並びをひっくり返すことで、最後に作成したファイルが先頭に来たり、番号や日付を含んだファイルが分かりやすく並んだりするので、作業効率が大幅に向上します。とくに大量のファイルが並ぶディレクトリでは、逆順の表示によって不要なスクロールが減り、確認作業がとても快適になります。 また、-rオプションは単体で使うだけでなく、他のオプションと組み合わせることで強力な情報整理のツールになります。たとえば、-lを組み合わせれば詳細情報を逆順で確認でき、更新日時を基準にした-tと組み合わせれば、古いファイルから順に並べることもでき、長期間保存しているログファイルや履歴ファイルを確認する際にとても便利です。こうした用途は実際の現場でもよく見られ、ログ解析やバックアップ確認のような重要な作業で欠かせない便利な組み合わせとして知られています。逆順を使いこなすことで、名前順、日付順、サイズ順などの並び方を自由自在に操れ、目的に応じて必要な情報に素早くたどりつけるようになります。 さらに、逆順表示は隠しファイルを含めた表示や詳細表示との組み合わせによって、ディレクトリ全体の構造をより整理して把握するのに役立ちます。Linux環境では、設定ファイルや構成ファイルが隠しファイルとして保存されていることが多いため、隠しファイルを逆順に並べることで、編集したばかりの設定ファイルをすぐに確認できたり、システム管理で必要なファイルに素早くアクセスできるようになります。オプションの順番は基本的に自由なので、ユーザーが自分の見やすい形に調整して使うことができ、lsコマンドの柔軟性がよく表れている部分でもあります。 日付順や番号順など、ファイルの命名規則は用途によってさまざまですが、それらを逆順に並べるだけで効率よく目的のファイルを見つけられる場面は非常に多いです。特に、数字が増えていくファイル名や日付付きのログファイルでは、新しいファイルほど末尾にあることが多いため、-rを使って反転させることで確認が驚くほど楽になります。また、スクリプトの結果をチェックしたり、バックアップフォルダを管理したりする際にも、逆順表示はよく使われる定番の方法です。こうした日常的な作業で-rを自然に使いこなせるようになることで、Linux操作に自信がつき、より高度なコマンド操作にも進みやすくなります。
ls -r の活用例(サンプルプログラム)
# アルファベット順を逆順で表示
ls -r
# 更新日時の古い順から確認
ls -ltr
# 隠しファイルを含めて逆順で一覧
ls -la -r
# 数字付きファイルを逆順で確認
ls -r log*.txt
ls -r の使い方を理解することで、ファイル管理の幅は一気に広がります。目的に合わせて並び順を入れ替えながらファイルを確認することで、作業の流れが整理され、迷わずに必要なデータを扱えるようになります。Linux環境に慣れていくうえで、このような小さな工夫を積み重ねることは非常に大切であり、毎日の作業を快適に進めるための大きな助けになります。コマンドの並べ替え方を柔軟に使えるようになれば、ログ解析やディレクトリ整理だけでなく、開発作業や運用管理でも役立つ場面が増えていきます。lsコマンドをより便利に使いこなすためにも、今回学んだ逆順表示の概念をしっかり身につけておきましょう。
生徒
「-rオプションってこんなに便利だったんですね。逆順にするだけで作業がかなり楽になります!」
先生
「そうなんですよ。特にログファイルを扱うときや大量のファイルがあるときに効果を実感しやすいんです。」
生徒
「更新日時と一緒に使えば、古い順や新しい順も自由に切り替えられるんですね。」
先生
「組み合わせ次第でいろいろな表示順が作れます。毎日の作業で使い慣れると、とても強力な武器になりますよ。」
生徒
「はい!次からは必要に応じて逆順表示を使って、効率よくファイルを探してみます!」