dhcpcdのヘルプ・マニュアル
日本語 英語
dhcpcd --help
man dhcpcd
dhcpcd(8) Linux System Manager’s Manual dhcpcd(8)
名前
dhcpcd - DHCP クライアントデーモン
書式
dhcpcd [-dknrBCDHNRSTY] [-t ] [-c ]
[-h ] [-i ] [-I ]
[-l ] [-s [ipaddr]] [-G [gateway]] [-w ]
[-L ] [interface]
説明
dhcpcd は RFC2131 (-r オプションが指定されなかった場合) と RFC1541 (-r
オプションが指定された場合) に基づく DHCP クライアントの実装である。
DHCP サーバからホストの情報 (IP アドレス、ネットマスク、ブロードキャス
トアドレスなど) を取得し、そのマシンのネットワークインタフェースを設 定
す る。また、 RFC2131 または RFC1541 (obsolete;すでに廃止された) に基づ
く貸し出し期間 (lease time) を更新しようと試みる。
オプション
-d このフラグにより dhcpcd は、 各 実 行 ス テ ッ プ ご と に sys-
log(LOG_DEBUG,...) でログを出力する。あまり多くの出力は行わない
が、何か問題が起きた場合には解決の大きな助けとなるので、このオプ
ションの利用が推奨される。 dhcpcd は、その出力に syslog 機能分類
(facility) LOCAL0 を使う。 dhcpcd のデバッグ出力を捕捉するには、
/etc/syslog.conf ファイルに
local0.* /var/log/dhcpcd.log
という行を追加し、
kill -1 ‘cat /var/run/syslogd.pid‘
によって syslogd デーモンをリフレッシュすること。
-k 現在動いている dhcpcd プロセスへ SIGHUP シグナルを送る。 SIGHUP
シグナルを dhcpcd が受け取ると、 DHCP_RELEASE メッセージをサーバ
へ送り、dhcpcd のキャッシュを破棄する。 SIGTERM シグナルは、普通
、システムを再起動する時に shutdown(8) が送るが、そのシグナル を
dhcpcd が受け取った場合は、 dhcpcd は DHCP_RELEASE メッセージを
送らず、キャッシュを破棄しない。そしてシステムが起動 す る 時 に
dhcpcd は、システムが落ちる前に DHCP サーバから割り当てられてい
たのと同じ IP アドレスを要求するために、キャッシュを用いる。
-n 現在動いている dhcpcd プロセスに SIGALRM シグナルを送り、貸し 出
し期間を更新させる。 dhcpcd が稼働していない場合は、このフラグは
無視され、通常の起動手順で dhcpcd が起動される。
-r dhcpcd を RFC1541 (obsolete) 準拠で動かす。 dhcpcd はこのオプ シ
ョンが指定されない限り RFC2131 に準拠する。
-B DHCP サーバにブロードキャストでの応答を要求する。
-C dhcpcd に受信したパケットのチェックサム (checksum) を計算させる
。
-D dhcpcd に対して、そのマシンのドメイン名を、 DHCP サーバから提 供
されるドメイン名オプション (domainname option) に設定させる。
-H dhcpcd に対して、そのマシンのホスト名を、 DHCP サーバから提供さ
れるホスト名オプション (hostname option) に設定させる。デフォ ル
トでは dhcpcd はそのマシンのホスト名を、 DHCP サーバから受け取っ
たホスト名オプションには設定しない。
-L
dhcpcd は、設定情報を格納するために、デフォルトの /etc/dhcpc で
はなく ディレクトリを使う。
-S dhcpcd が最初の DHCP_DISCOVER メッセージに対して DHCP_OFFER メッ
セージを受信した後であっても、 2 回目の DHCP_DISCOVER メッセージ
を 送信させる。「クライアントは DHCP_REQUEST を返答する前に 2 回
目の DHCP_DISCOVER を送信する」と仮定している DHCP サーバもあ る
。
-R すでに存在するファイル /etc/resolv.conf を dhcpcd が置き換えない
ようにする。
-Y dhcpcd が既存の /etc/yp.conf ファイルを置き換えないようにする 。
-D を指定しない限り、ドメイン名は更新されない。
-N dhcpcd が既存の /etc/ntp.conf ファイルを置き換えないようにする。
-T テスト用。 dhcpcd は DHCP ネゴシエーションシーケンスに入るが、実
際 に は イ ン タ ーフェースを設定しない。しかし、ファイル /dhcpcd-.info と /dhcpcd-.cache を書き込み、 /dhcpcd.exe スクリプトを実行
しようとする。実行可能スクリプト dhcpcd.exe のパ ス 名 は 、 -c
オ プ ションで変更できる。 -T オプションは主に
DHCP サーバのテストに使われる。同じダミーインタフェースのため の
複 数の IP アドレスを取得したり、 -L や -I オプション
-t
どれくらいの時間 dhcpcd が IP アドレスを取得しようと試みるかを (
秒数で) 指定する。デフォルトは 60 秒。 dhcpcd は使用可能な IP ア
ドレスを取得し、親プロセスへ 0 を返すまではバックグラウンドへ と
fork しない。 dhcpcd が使用可能な IP アドレスを DHCP サーバから
受け取る前にタイムアウトした場合は、 dhcpcd は親プロセスへ終了コ
ード 1 を返す。
-c
dhcpcd は インタフェースが設定または落される度に、デフォルトの
/dhcpcd.exe スクリプトではなく、 ス ク
リプトを実行しようとする。下記の「ファイル」セクションにおけるス
クリプト dhcpcd.exe についての説明を参照すること。
-h
dhcpcd が送る DHCP メッセージのホスト名オプションに使われる文 字
列を指定する。クライアントからの DHCP メッセージの中で、ホスト名
オプションが指定されていることを要求する DHCP サーバもある (特に
家庭内ネットワークで使われる DHCP サーバ)。
-i
ベ ンダークラス識別子 (vendor class identifier) を指定する。何も
指定されなかった場合、 dhcpcd はデフォルトのベンダークラス識別子
(システム名、システムリリース、マシンタイプ) を用いる。
-I
ク ライアント識別子 (client identifier) を指定する。何も指定され
なかった場合、 dhcpcd はデフォルトのクライアント識別子 (ネットワ
ークインタフェースの MAC アドレス) を用いる。
-l
サーバへ推奨する貸し出し時間を (秒数で) 指定する。 (サーバはこの
値を、適切な値へと上書きできることに注意)。この 値 は DHCP_DIS-
COVER メッセージに使われる。デフォルトは無限大 (0xffffffff)。
-s [ipaddr]
DHCP_INFORM メッセージを ipaddr を使って DHCP サーバへ送る。省略
可能なパラメータ ipaddr は xxx.xxx.xxx.xxx という形式でなけれ ば
ならない。もし、コマンドラインで ipaddr パラメータが与えられなけ
れば、 dhcpcd は現在インタフェースに割り当てられている IP アドレ
スを用いる。もし現在、インタフェースに IP アドレスが割り当てられ
ていなければ、 dhcpcd は フ ァ イ ル /dhcpcd-.cache に記録されている、以前に獲得した IP アドレスを用いる
。
-G [gateway]
DHCP サーバによって提供されたデフォルトの経路を dhcpcd にイン ス
トールさせないようにする。オプションでゲートウェイ ip アドレスパ
ラメータが指定された場合、それをデフォルトの経路として使う。
-w
ゲートウェイ経路のウインドウサイズを指定する。デフォルトは 32768
である。
interface
ネ ットワークインタフェースの名前 (eth0, eth1 など) を指定する。
名前が明示されなかった場合、 dhcpcd はネットワークインタフェース
として eth0 を用いる。
ファイル
/etc/dhcpc
dhcpcd によって作成されたファイルを保存するのに用いられるデフォ
ルトの ディレクトリ。上記の -L オプシ ョ
ンを参照すること。
/dhcpcd-.info
dhcpcd がホスト情報を記録するファイル。 interface は、実際には
eth0 のような、dhcpcd で管理されているネットワークインタフェース
の名前で置き換えられる。
/dhcpcd.exe
インタフェースを設定または落す度に、 dhcpcd が実行しようとするス
クリプトファイル。この実行可能スクリプトへのパスは、 -c オプションで変更できる。 dhcpcd は dhcpcd.exe スクリプ
トに 3 つのパラメータを渡す。
dhcpcd.exe [-d]
最初のパラメータ は dhcpcd-.info
フ ァイルへのパスである。 は、実際には "eth0" のよう
な dhcpcd で管理されているネットワークインタフェースの名前で置き
換 えられる。 2 番目のパラメータ値 は、前と同じ IP
アドレスでインタフェースを上げる ("up")、新しい IP アドレスで イ
ンタフェースを上げる ("new")、インタフェースを落す ("down") とい
う意味である。パラメータ -d は、 dhcpcd をデバッグフラグ -d で起
動する場合に渡す。
/dhcpcd-.cache
以 前 に割り当てられた IP アドレスなどを含むキャッシュファイル。
は、実際には eth0 のような、dhcpcd で管理されてい る
ネットワークインタフェースの名前で置き換えられる。
/etc/resolv.conf
クライアントが DNS とドメイン名オプションを受け取った時に dhcpcd
が作成するファイル。既に /etc/resolv.conf が存在する場合、元のフ
ァ イルは /etc/resolv.conf.sv という名前に変更され、何らかの理由
で dhcpcd が終了した時には元に戻される。
/etc/yp.conf
クライアントが NIS オプションを受信した場合に、 dhcpcd によっ て
作成されるファイル。既に /etc/yp.conf が存在する場合、元のファイ
ルは /etc/yp.conf.sv という名前に変更され、何らかの理由で dhcpcd
が終了した時には元に戻される。
/etc/ntp.conf
ク ライアントが NTP オプションを受信した場合に、 dhcpcd によって
作成されるファイル。既に /etc/ntp.conf が存在する場合、元のフ ァ
イ ル は /etc/ntp.conf.sv という名前に変更され、何らかの理由で
dhcpcd が終了した時には元に戻される。
/dhcpcd-.pid
dhcpcd のプロセス ID を格納するファイル。 は、実際に
は eth0 のような、dhcpcd で管理されているネットワークインタフェ
ースの名前で置き換えられる。
関連項目
Dynamic Host Configuration Protocol, RFC2131 および RFC1541 (obsolete)
DHCP Options and BOOTP Vendor Extensions, RFC2132
バグ
dhcpcd は貸し出しの終了期限を計算するのに time(3) を用いる。クライアン
トの実行中にシステム時刻が変更されると、貸し出しの終了期限は予測不可 能
となる。
著者
バージョン 1.3 未満
Yoichi Hariguchi
バージョン 1.3
Sergei Viznyuk
dhcpcd 1.3 31 January 1998 dhcpcd(8)