lilo.confのヘルプ・マニュアル
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lilo.conf --help
man lilo.conf
LILO.CONF(5) LILO.CONF(5)
名前
lilo.conf - lilo の設定ファイル
説明
このファイル (デフォルトでは /etc/lilo.conf) は、ブートローダのインスト
ーラである ’lilo’ が読み込む (lilo(8) を参照)。
内容は例えば以下のようになっている:
# lilo.conf
#
# global options:
boot=/dev/hda
prompt
timeout=150
lba32
compact
vga=normal
root=/dev/hda1
read-only
menu-title=" John’s Computer "
#
# bootable kernel images:
image=/boot/zImage-1.5.99
label=try
image=/boot/zImage-1.0.9
label=1.0.9
image=/tamu/vmlinuz
label=tamu
root=/dev/hdb2
vga=ask
#
# other operating systems:
other=/dev/hda3
label=dos
other=/dev/hdb5
label=os2
loader=/boot/os2_d.b
table=E:
この設定ファイルでは、 lilo が /dev/hda の Master Boot Record を用い る
よ うに記述してある。 (色々な lilo の使い方や、他のオペレーティングシス
テムとの関係に関する詳細は、 lilo のドキュメントにある user.tex を読 む
こと。)
ブートローダはブート時に、 boot: というプロンプトを出して、ユーザーが希
望するカーネルのラベル (とオプション) が入力されるのを待つ。 [Tab] を入
力 す れ ば 、 いつでもカーネルとラベルの一覧を見ることができる。 boot-
menu.b ブートローダがインストールされている場合、選んだカーネルのブート
オ プションのメニューが表示される。何も入力しない場合、15 秒 (15 × 1/10
秒) のタイムアウトの後、初めに記述されているデフォルトのカーネルイメ ー
ジ (/boot/zImage-1.5.99) がブートされる。 lilo.conf には最大 16 個のイ
メージを記述することができる。
上記のように、設定ファイルはいくつかのグローバルオプション (例では最 初
の 9 行) で始まり、種々の image セクションがそれに続く。 image セクショ
ンに書かれているオプションは、グローバルオプションを上書きする。
コメント行はどこに書いても構わず、"#" 文字で始まる。
グローバルオプション
多くのキーワードがある。以下の説明はほとんど user.tex と同じである ( ち
ょっとだけ短い)。
backup=
元 の ブートセクタを /boot/boot.NNNN ではなく、 backup-file にコ
ピーする (/dev/null などのデバイスファイルを指定することも可能で
ある)。
bitmap=
ブートメニューを表示するときの背景に使う 640x480x16 のビットマッ
プファイルを指定する。 ’message=’ が指定されている場合には使って
は な らない。ビットマップを表示できるブートローダ (例えば boot-
bmp.b) を ’install=’ を使って指定する必要がある。
bmp-colors=,,,,,
’bitmap=’ で指定した背景上でメニューを表示する際に使われる 色 を
10 進数で指定する。このリストは 6 つのエントリから構成され、始め
の 3 つは標準時の文字色であり、その後の 3 つはハイライト時の文字
色 である。 3 色組は前景色・背景色・陰影色という順番になっている
。背景色が指定されていない場合は、「透明 (transparent)」であると
仮 定する。陰影色が指定されていない場合は、「なし (none)」である
と仮定する。リストのエントリは、スペースを入れずにコンマで区切ら
れる。
bmp-table=,,,,
メ ニューテーブルの位置と配置を指定する。 , は、文字座標お
けるテーブルの左上の x 座標と y 座標を指定し、 x は [1..80], y
は [1..25] の範囲である。 はメニューの列数で (1..3) の範
囲である。 は各列の行数である。列数を 2 以上に指定した 場
合 、 は各列の左端の文字の間の文字数を指定し、(18..40) の
範囲である。文字数ではなくピクセル値で位置を指定する場合は、 10
進数の値の後ろに ’p’ を付けて , , を指定する。
bmp-timer=,,,,
カ ウントダウンタイマー ’timeout=’ のオプション指定。 , は
、前述の ’bmp-table=’ と同様に、タイマーの位置を文字列 (またはピ
クセル) 座標で指定する。また 3 色の組は、前述の ’bmp-colors=’ と
同様に、文字の色属性を指定する。ただし、背景色を指定しなければな
らない。
boot=
ブートセクターを含むデバイス (例えばハードディスクのパーティショ
ン) のデバイスファイル名を設定する。このキーワードが省略された場
合、ブートセクターは現在ルートとしてマウントされているデバイスか
ら読み込み (およびおそらく書き出し) を行う。 raid 装置は、たとえ
ば "boot=/dev/md0" というように、 RAID1 デバイスをブートデバイス
に指定して初期化される。 LILO のバージョン 22.0 以降では、ブート
レコードの実際の位置が以前のものと異なる。
change-rules
パーティションのタイプ番号のブート時変更 (パーティションを隠すか
どうか) を定義する。
change-rules
reset
type=DOS12
normal=1
hidden=0x11
type=DOS16_small
normal=4
hidden=0x14
type=DOS16_big
normal=0x06
hidden=0x16
上に示した設定ファイルからの抜粋では、全てのデフォル ト change-
rules が ("reset" で) 削除されてから、 3 つのパーティションタイ
プについての change-rules が指定されている。 reset を指定しな い
と 、指定された 3 つのタイプが既存のデフォルト change-rules に追
加される。通常は、デフォルトのルールで充分である。パーティション
タ イ プを定義する文字列は、サフィックス "_normal" または "_hid-
den" を後ろにつけて change セクションで使われる (下記参照)。詳細
は user.tex の中の "Partition type change rules" セクションを参
照すること。
compact
ブートセクター付近への readリクエストを、1 回にまとめられるか 試
行する。マップを小さく保ったままで、ロード時間を非常に短縮できる
。特にフロッピィディスクからのブートを行う場合は ‘compact’ を 使
うことを薦める。
default=
指 定 されたカーネルイメージをデフォルトのブートイメージとする。
‘default’ が省略された場合、設定ファイルの最初に記述が現れたカー
ネルイメージがデフォルトとなる。
delay=
ブ ートローダが自動的にブートするまでの待ち時間を 0.1 秒単位で指
定する。現在ロックされているコマンドライン、または "lilo -R" で
前もって設定されたコマンドライン、またはデフォルトの ‘image=’ や
‘other=’ で指定されたコマンドラインを使って ブ ー ト さ れ る 。
‘delay’ が 0 でない場合、ブートローダは指定された秒数の間だけ割
り込みが行われるのを待つ。割り込みを受け取った場合、または割り込
み を待っている間は、プロンプト boot: を表示して、自動ブートを行
わない。 CAPS LOCK や SCROLL LOCK が ON になっている場合、または
ALT, CTRL, SHIFT のどれかが押された場合、割り込みとして解釈され
る。
この動作は ‘prompt’ を指定することで変更できる (下記参照)。
disk=
指定されたディスク対する非標準的なパラメータを定義する。詳 細 は
user.tex の中の "Disk geometry" セクションを参照すること。特に
‘bios=’ パラメータは便利である。 BIOS はディスクを 0x80, 0x81 と
い う 風 に 番号づけするため、Linux カーネルでのディスクの認識と
BIOS でのディスクの認識の間で不整合が生ずる場合がある ( こ れ は
BIOS の種類と設定に依存する)。よって、もし Linux カーネルと BIOS
でのディスクの認識を通常と異なる設定にしたい場合は、このパラメー
タによって対応を記述する必要がある。次に例を挙げる。
disk=/dev/sda
bios=0x80
disk=/dev/hda
bios=0x81
上の記述では、SCSI ディスクを BIOS が認識する 1 番目のディスクと
し、 (プライマリマスタにつながっている) IDE のディスクを BIOS が
認識する 2 番目のディスクとする。
disktab=
デ ィスクのパラメータテーブル名を指定する。 ‘disktab’ が省略され
ていた場合、マップインストーラは /etc/disktab を 参 照 す る 。
‘disktab’ を使用することはあまりお薦めできない。
fix-table
lilo にパーティションテーブルの 3D (sector/head/cylinder) アドレ
スの調節を許可する。それぞれのパーティションエントリには、最初と
最後のセクタのリニアアドレスと 3D アドレスが入っている。同じディ
スクを他の OS (例えば、MS/PC-DOS や OS/2) が使っている場合やパー
ティションがトラックに切られていない場合には、 3D アドレスが変わ
るかもしれない。 lilo は両者のアドレスタイプが一致したパーティシ
ョ ンにだけブートセクタを保存できる。 ‘fix-table’ をセットすると
、lilo は間違った 3D スタートアドレスを修正する。
警告: 他のOS が後でアドレスを上書きする可能性がある。また、これ
は思わぬ副作用を引き起こすかもしれない。正しい修正であっても、パ
ーティションをトラックに合わせようとするようなプログラムでは、こ
れによって再パーティションがされてしまうかも知れない。またある種
のディスク (例えばアドレス変換の可能ないくつかの Large EIDE) で
は、パーティションテーブルの内容がコンフリクトし、修正できなくな
る場合がありうる。
force-backup=
‘backup’ と同様だが、バックアップが存在しても上書きする。
geometric
以前のバージョンの LILO と互換性のあるディスクアドレスを使わせる
。ジオメトリアドレスには sector/head/cylinder という形式が使われ
、ディスクシリンダ数が 1023 に制限されている。アクセスできないシ
リンダが参照されている場合、ブート時ではなく、ブートローダのイン
ストール時に診断メッセージが出される。最近の BIOS の 場 合 は
、’lba32’ の使用を推奨する。
ignore-table
おかしくなったパーティションテーブルを無視するよう lilo に指示す
る。
install=
指定されたファイルを新しいブートローダとしてインストールする。バ
ー ジョン 21.5 からは、 boot-text.b と boot-menu.b の 2 つのブー
トローダが使用可能になった。 boot.b は後者へのシンボリックリンク
である。両方のブートローダで、全く同じ形式のカーネルコマンドライ
ンオプションのエントリを使うことができる。さらに両方ともシリアル
ラ イン (下記の serial= を参照) が完全にサポートされているが、シ
リアル端末にはメニュー機能がない。前者は以前の LILO との厳密な互
換 性を持たせるために使用可能である。 ‘install’ が省略されると、
/boot/boot.b がデフォルトで使われる。
lba32 sector/head/cylinder 形式のアドレスではなく、 32 ビットの論理 ブ
ロ ックアドレス (LBA) を生成する。 BIOS がパケットアドレッシング
に対応している場合、ディスクにアクセスするときにパケットコールを
用 いる。これにより、1024 シリンダ以上あるディスクのどのパーティ
ションからでもブートできるようになる。 BIOS がパケットアドレスに
対 応していない場合、 ’lba32’ アドレスは「リニアアドレス」として
sector/head/cylinder 形式 (ジオメトリアドレス) に変換される。 フ
ロッピーディスクへの参照は、C:H:S 形式のままである。 1998 年以降
の全てのシステムに対して、’lba32’ の使用を推奨する。 LILO のバー
ジョン 22 からは、’lba32’ がディスクアドレス指定のデフォルトの方
式となった。
linear sector/head/cylinder という形式の (ジオメトリ) アドレスを指定 す
る代わりに、セクタの 24 ビットのリニアアドレスを使用する。リニア
アドレスは実行時にジオメトリアドレスに変換される。リニアアドレス
は cylinder の値が 1023 以下に制限されている。 ‘linear’ オプショ
ンを容量の大きいディスクで使うと /sbin/lilo はアクセスできないデ
ィ スクシリンダへの参照をつくるかもしれない。 ‘lba32’ オプション
を指定すれば、これらの多くの落し穴をパケットアドレッシングを使っ
て回避できるが、最近の BIOS が必要である。
lock このオプション以降のブートコマンドラインを以後のデフォルトとして
自動的に記録する。 lilo はこの記録を、手動で解 除 さ れ る ま で
"lock" する。
mandatory
イメージのブートにパスワードを付けるオプション ‘mandatory’ (下記
参照) を全てのイメージに適用する。
map=
マップファイルの場所を指定する。‘map’ が 省 略 さ れ た 場 合 、
/boot/map が使われる。
menu-title=
ブ ートメニューに (37 文字までの) タイトル行を指定する。このタイ
トルはデフォルトのタイトル文字列 "LILO Boot Menu" を置き換える。
boot-menu.b が ブ ートローダとしてインストールされていない場合
(install= オプション参照)、この行は何も影響を及ぼさない。
menu-scheme=
VGA ディスプレイにおけるデフォルトのブートメニューの色スキームを
、このオプションを使って上書きできる (MDA ディスプレイの色スキー
ムは固定である)。一般的な color-scheme 文字列は以下のような形 と
なる:
:::
各 エントリには、前景色と背景色を指定する 2 つの文字が入る。最初
のエントリのみが必須である。デフォルトのハイライト色は、文字色の
前景色と背景色を入れ換えたものである。デフォルトの枠色とタイトル
色は、文字色と同じである。文字 kbgcrmyw を使って色を指定する。そ
れ ぞ れ blacK (黒), Blue (青), Green (緑), Cyan (シアン), Red (
赤), Magenta (マゼンタ), Yellow (黄色), White (白) を表す。大 文
字 の場合は明るい色 (前景色のみ)、小文字の場合は暗い色になる。有
効な色スキーム文字列は以下のようなものである。
menu-scheme=Wm 前景を明るい白、背景をマゼンタにする。
menu-scheme=wr:bw:wr:Yr LILO のデフォルト。
menu-scheme=Yk:kw 前景を明るい黄色、背景を黒にする。
boot-menu.b がブートローダとしてインストールされていない場合、こ
の行は何も影響を及ぼさない。
message=
ブートプロンプトを出す前に出力したいメッセージが書かれたファイル
を指定する。 "LILO"と出力された後、Shiftキーが押されるまでは、メ
ッ セージはなにも出力されない。メッセージに制御文字 FF([Ctrl L])
があると、コンソール画面をクリアする。 boot-menu.b ブートロー ダ
がインストールされている場合に、制御文字 FF を使うのは良くない。
メッセージファイルの大きさは最大 65535 バイトに制限されている 。
メッセージファイルを修正・移動した場合は、マップファイルを再作成
しなければならない。 "message=" と "bitmap=" を一緒に指定する こ
とはできない。
nowarn 将来起こりうる不具合に関する警告メッセージを出力しないようにする
。
optional
カーネルイメージごとのオプションである ‘optional’ (詳細は 後 述)
を、全てのカーネルに適用することを示す。
password=
カ ーネルイメージごとのオプションである ‘password=...’ (詳細は後
述) を、全てのカーネルに適用することを示す。このオプションを指定
すると、パスワード照合を通らない限りブートをしない。デフォルトレ
ベル ‘mandatory’ では、デフォルトのイメージは ‘password=’ で保護
されている。 ‘mandatory’ は ‘restricted’ より 1 段レベルが高い。
prompt ロックされたコマンドライン、またはあらかじめ ("lilo -R" で) 設定
さ れたコマンドラインがない限り、自動ブート (上記の ‘delay’ を参
照) を行わない。そのかわりに、ブートローダはプロンプト boot: を
表示して、先に進む前にユーザー入力を待つ (下記の timeout を参照)
。 ‘prompt’ が設定されていて ‘timeout’ が設定されていない場合 、
またはデフォルトイメージが ‘restricted’ より高いレベルでパスワー
ドで保護されている場合、パスワードを照合しないデフォルトイメージ
のブートは不可能である。
raid-extra-boot=