NcFTP(1) NcFTP(1)
名前
Ncftp - インターネット ファイル 転送プログラム
書式
ncftp [プログラム オプション] [[オープン オプション] ホスト名[:パス]]
オプション
プログラム オプション:
-D : デバッグモード、トレースモードを有効にする。
-L : ビジュアルモードを使用しない(ラインモード)。
-V : ビジュアルモードを使用する。
-H : バージョン情報。
コマンドラインのオープンオプション:
-a : 匿名(anonymous)で接続。
-u : ユーザ名とパスワードプロンプトで接続。
-p X : 接続時に ポート番号Xで接続。
-r : 接続するまでリダイアルする。
-d X : リダイアルまで、X秒の間隔を開けてリダイアルする。
-g X : X回リダイアルして接続できなければ、あきらめる。
コマンドラインの取得オプション:
-C : 強制接続(再取得)。
-f : 強制的に上書きする。
-G : ワイルドカードを使用しない。
-R : 再帰。ディレクトリ全体を取得するときに役立つ。
-n X : X日前より新しいファイルのみを選択して取得。
説明
NcFTP はインターネット標準の File Transfer Protocol に対するユーザーイ
ンターフェイスである。リモートネットワークホストとのファイルの送受信 を
行い、標準の ftp にはない付加的な機能を提供する。
以下の3つモードがある: ビジュアルモード、ラインモード、コロンモードであ
る。
使用しているシステムが最近のものなら、デフォルトのモードは ビジュアルモ
ードにすべきである。これは curses ライブラリを用いたフルスクリーン イン
ターフェイスである。ビジュアルモードでは、不可解なコマンドを打つ必要 は
な く、洒落たスクリーンインターフェイスで NcFTPの設定を編集することがで
きる。
ビジュアルモードでなければ、対話的なシェル(interactive shell)である ラ
インモードを使うことになるだろう。このモードはデフォルトの ftp プログラ
ムのコマンドシェルのような簡易なインターフェイスである。
3番目のモードである コロンモードは、NcFTP自身のシェルに入ること無しに、
シ ェルコマンドラインから直接ファイルをすばやく取得する機能を提供する。
このモードはシェルスクリプトで便利である。
ビジュアルモードの概論
ビジュアルモードになると、スクリーンはクリアされ、派手なスクリーンで 書
き換えられる。スクリーンの下から2番目に黒色のステータスバーが現れる。ス
テイタスバーの下は入力行で、プログラムのシェルへコマンドを打ち込む場 所
である。
NcFTPは何か命令されるまで待機している。たいていはリモートのファイルシス
テムをオープンして、ローカルマシーンのファイルシステムとファイルのや り
取 りをすることになるだろう。そのためにはリモートシステムの名前か、もし
くはその インターネットプロトコル (IP)のアドレスを知っている必要があ る
。 例 え ば 、 名 前 が ‘‘typhoon.unl.edu’’ で そ のIP ア ド レ スが
‘‘129.93.33.24’’ならば、そのシステムに接続するためには、NcFTPの open コ
マンド:
open typhoon.unl.edu
open 129.93.33.24
を使用する。
こ れらは、 Nebraska 大学の typhoonと呼ばれるマシンに接続しようとする。
IPアドレス予告無く変更されることがあるが、名前はたいてい同じままであ る
ので、名前を使用した方が好ましいだろう。
リ モートファイルシステムに接続するときは、接続するための権限を持ってい
なければならない。 FTP Protocol の認証システムは、(UNIX等の)アカウン ト
に ログインすることにとてもよく似ている。しかし、あなたが興味を持つよう
なリモートシステムの多くでは使用にあたってアカウント名を求められるこ と
は ないだろう。多くの場合はリモートファイルシステムへ匿名アクセスすれば
、公共的にアクセスできるファイルを交換できる。 NcFTPはデフォルトでは 、
リモートシステムに匿名アクセスを行う。これは実際には、‘‘anonymous’’とい
うアカウント名を用い、パスワードのプロンプトに管理者への 礼 儀 と し て
E-mail アドレスを記入する。もちろん特定のアカウントを使用することもでき
る。これについては後述する。
接続が成功すると、ステータスバーの片側にリモートシステムの名が表示さ れ
る 。現在のリモートディレクトリの内容を見るには、 lsと dir コマンドを使
用すれば良い。前者は少ないスクリーンスペースで多くのリモートファイル を
選 べるように簡潔である。また後者はディレクトリの各項目について詳しい情
報を与えるように、冗長である。
cd コマンドを使えば、リモートシステムの他のディレクトリへ移動でき る 。
cd コマンドは Bourneシェルと Kornシェルの同名のコマンドと、ほぼ似た動作
をする。
NcFTPの目的は他のシステムとデータの交換をすることである。 get コマン ド
はリモートシステムからローカルシステムへファイルをコピーする:
get README.txt
NcFTPはスクリーンに転送の進行状況を表示するので、転送が終了するまでにど
れくらいかかるかわかる。転送が終了すると、NcFTPのコマンドシェルにコマン
ドを打つことができるようになる。
put コマンドはローカルのシステムからリモートシステムへファイルをコピー
するために使用できる:
put something.tar
リモートシステムでの作業が終わったら、他のシステムをオープンすること が
できる。また quit コマンドは NcFTPを終了させる。
ブックマーク ファイル
NcFTP の 目標の一つは最小限のタイピングで最大限の便宜を得ることである。
NcFTPはホームディレクトリの .ncftp サブディレクトリにある bookmarks と
い う特別なファイルに、呼び出したサイトについての情報を自動的に保存する
。各ブックマークには、ホスト名、入ったリモートディレクトリ、アカウン ト
情 報などの設定が保存される。これにより、後で再びそのサイトを呼び出すの
を簡単になる。また前回ログオフしたときの全て情報を保存されている。
この情報を保持すると、サイトの正式なホスト名を使う代りに、より短く意 味
の あ る 名 前 で 呼 び 出 す こ と が できるようになる。例えばサイト名
‘‘typhoon.unl.edu’’ を頻繁に呼び出すと、ブックマーク名は ‘‘typhoon’’ に
なるだろう。すると、
open typnoon.unl.edu
の代りに
open typhoon
とすることができる。
問 い合わせたサイトを NcFTPが特定できる限りにおいて、ブックマークの名前
を短縮することができる。ブックマークの名前に‘‘ty’’から始まるものが他 に
なければ、以下のようにできる:
open ty
ブ ックマークの機能を用いれば、実際の名前が覚えにくいようなホストに対し
て、より記憶しやすい名前を割り当てることができる。 Nethack というポピュ
ラ ーなゲームが linc.cis.upenn.edu の /pub/NH3.1 ディレクトリに置かれて
いるが、このサイトのブックマークとして ‘‘nethack’’ を指定できる。すると
、
open linc.cis.upenn.edu
の代りに
open nethack
とすることもできる。
ブックマーク エディタの使用
ブ ッ ク マ ー クファイルに蓄えられているブックマークを操作するためには
、NcFTPに付属するブックマーク エディタを使用する。 NcFTPの中から book-
marks と打てば、ブックマークエディタが起動し、新しい画面が立ち上がる。
右 側に NcFTPが保存してあるリモートシステムのリストが置かれる。リモート
システムに接続するごとに、NcFTPは自動的にブックマークファイルのエントリ
を 保存する。もしサイトの接続にまだ成功していない場合には、このリストは
空になる。
左側にリストに対して行うことのできる命令が表示されている。ブックマー ク
エディタは、コマンド(編集したい設定のブックマークを選択するなど) 待ち状
態になる。
ブックマークエディタには ‘‘ホットキー’’ という、単一のキーのみで動作 す
るコマンドがある。ホットキーコマンドの後には enter を打つ必要はない。例
えばブックマークエディタを終了するためには、‘‘x’’ キーを打てばよい。 マ
ル チキーコマンドは最初に / を打ち、最後に enter キーを打つ必要がある。
例えば選択したサイトを消去するには、‘‘/’’ キーを打 っ た 後 に ‘‘del’’
‘‘enter’’ と打てばよい。リストの(反転している)選択行を下げるには ‘‘d’’
キーを打ち、上げるには ‘‘u’’ キーを打つ。ブックマークリストに多くのエン
ト リがある場合には、全てを一画面で見せることはできなくなるだろうが、ブ
ックマークリストを適当にスクロールさせて他のサイトも見ることができる 。
ページを移動するには、‘‘p’’ ‘‘n’’ キーを使用する。
ブ ックマークリストでサイトを選択するには、大文字を使う方法もある。ブッ
クマークリストに多くのエントリがあるときに、ブックマーク名 ‘‘nethack’’
の サイトを選択するには ‘‘N’’ と打つ。すると ‘‘n’’ から始まるブックマー
クのサイトの先頭にリストの選択行が移動する。
編集したいブックマークを反転させた後、 /ed を使えば、そのブックマークの
設定を示した画面が立ちあがる。
Bookmark Options のスクリーンでは、編集したい設定はホットキーで指定する
。例えばブックマークの名前を編集するためには、‘‘a’’ と打つ。このブッ ク
マークの編集を終えて、ブックマークエディタ画面に戻るには ‘‘x’’ キーを打
てばよい。
ブックマークオプション
サイトをオープンする時に使用する名前を変更するには Bookmark name フィー
ル ドの編集をする。ブックマーク名を変更した後には、このブックマークの参
照はこの名前で行わなければならなくなる。例えば ‘‘foobar’’ という名前 に
変更したら、‘‘open foobar’’を用いなければならない。これは、一つのリモー
トホストに対して、複数のエントリを持つことができるようにするためであ る
。 例 え ば wuarchive.wustl.edu に対して2つのブックマーク ‘‘wumac’’と
‘‘wuwindows’’を作った場合に、 ‘‘open wuarchive.wuustl.edu’’としたのでは
、NcFTPはどちらのエントリを使用したら良いのかわからないからである。
サイトのログイン情報は User, Password, Account フィールドによって変更す
る。匿名(anonymous)ログインを用いる場合は、通常そのままにしておく。リモ
ー トシステムによっては特定のアカウントを用いたいことがあるかもしれない
、このような場合には匿名(anonymous)ログイン以外の方法を用いる。
Directory フィールドには、リモートホストへの接続が成功したときに移動 す
る ディレクトリを指定する。サイトへの接続を終了した時に、このフィールド
は自動的に終了時のディレクトリに更新される。
Transfer Type フィールドは、ファイルを転送に標準以外の転送モードを使 用
す る場合に変更する。 NcFTPはたいてい UNIX システム上で使用されるし、リ
モートシステムの多くも UNIX 系でなので、デフォルトの転送モードは何も 変
換されない binary, となっている。
し かし、プレーンテキストを種類の異なる 非UNIX システム間で転送する必要
があるときは、 ASCII モードに変更すると良い。これはテキストのみのファイ
ル を正しく転送することを保証する。多くの場合は、 binary 転送モードを使
用する必要があるだろう。
Port フィールドは標準的でないポート番号を使用するときに変更する。私はこ
れ まで異なるポート番号を必要としたことがないが、必要な場合は変えること
ができる。
Has SIZE Command フィールドはおそらく編集する必要はないだろう。このフィ
ールドは通常、情報の提供にだけ用いられる。 SIZE コマンドは、 FTP Proto-
col のコマンドで、リモートサーバでサポートされていると NcFTPにとって 都
合 が良い。このコマンドがサポートされていれば、(クライアント側の)プロ
グラムは転送前にリモートファイルの正確なバイト数を知ることができ、転 送
処理の進捗状況がわかるようになる。
Has MDTM Command フィールドも編集する必要はないだろう。リモートサーバが
これをサポートしていれば、NcFTPはリモートファイルの更新日時を正確に知る
ことができ、同じ日付をローカルファイルに設定する。
Can Use Passive FTP フ ィールドは、リモートのサーバが FTP Protocol
の"PASV コマンドを使用できるかどうかを指定する。 FTPコネクションを設 定
する方法は2通りある。デフォルトの方法は Port FTP と呼ばれるものである。
残念なことに、 Port FTP は、ローカルホストが ファイヤーウォールの内側に
ある場合は使用できない。一方 Passive FTP はファイヤーウォールの内側から
でも使用できるので、可能な場合はこちらを用いると良いだろう。これは多 く
の 場合自動的に検出されるので、このフィールドを編集する必要はないでだろ
う。
Operating System フィールドは特定のオペレーティングシステムに依存する情
報を伝えるために使用される。もしOSがUNIX系ならば、NcFTPはリモートサーバ
のレスポンスについてある仮定をできる。例えば、OSが UNIX なら、 ls コ マ
ンドは UNIX 上での ‘‘ /bin/ls -CF’’のように動作しようとする。 OSが UNIX
でなけれは、 ‘‘-CF’’ はリモートサーバで使えないかも知れないし、サーバが
文 句をいうかもしれない。これらは多くの場合自動的に検出できるので、おそ
らくこのフィールドを編集する必要はないだろう。
コメントフィールドはサイトについての短い説明を記録するのに使用できる 。
例 えば、私の ‘‘nethack’’ エントリでは、このフィールドに「Nethackの最新
バージョンをおいてあるサイト」という情報を書いてある。ブックマークエ デ
ィ タウインドウにいるとき、コメントを持つサイトを反転させると、スクリー
ンの一番下にこのコメントが表示される。したがって、コメントを見るため に
エディットモードに入る必要はない。
好みの設定
リモートホストごとに指定するオプションに加えて、NcFTPはユーザが設定可能
なグローバルオプションを持っている。 NcFTPの設定を変えるためには、NcFTP
起動中に prefs コマンドを実行する。
Default open mode フィールドはNcFTPがどのように接続を試みるかを指定する
。もし匿名(anonymous)FTPを多く利用するならば、 anonymous に設定す る 。
FTP す る ホストの多くが匿名(anonymous)ログインを許可していないなら、
usr と password フィールドを設定するとよいだろう。例えば、あなたの会 社
の ネットワーク上で異なるマシンからのコピーをするのに NcFTPを使うなら、
anonymous FTPモードを使いたくはないだろう。
Anonymous password フィールドは匿名(anonymous)ログインする時にリモー ト
の ホストへ与える値を変える場合に用いる。匿名(anonymous)FTPのためにパス
ワードとして利用者の e-mailアドレスが習慣的に用いられる(たいていは要求
さ れる)。これによりリモートホストの管理者は、だれがサービスを利用して
いるかを知ることができる。もしNcFTPがあなたのe-mailアドレスを正しく得る
こ とができなかったり、あなたが異なったものを使いたいのならば、このフィ
ールドを変えること。
NcFTPは目の疲れを減らすために以前よりも空白を多く使用している。これが嫌
な ら、 Blank lines between cmds フィールドを変更すればこの機能を無効に
できる。
NcFTPは転送したファイルのログをとることができるので、何を取得したのか忘
れ てしまった場合にはログを参照することができる。ログが ~/.ncftp/log に
保存されるようにするには User log size フィールドに0よりも大きい数を セ
ッ トする。おそらくこのファイルを無限に大きくはしたくないだろうから、フ
ァイルの最大のサイズをセットしておくとよい。
NcFTPは以前にオープンした各サイトを全てブックマークファイルに保存するが
、 保存するサイトの数の上限を設定したくなるかもしれない。 NcFTPをロード
したりブックマークを保存するのが遅いマシンを使っているとか、ディスク ス
ペースが貴重な場合には、 Max bookmarks to save フィールドを設定してブッ
クマークの保存数を制限することができる。制限に達したら、NcFTPは最後の接
続 が最も古いサイトの情報を捨てる。言い換えれば、だいぶ前に一度だけ訪れ
、忘れさられているサイトが最初に捨てられる。
NcFTPの機能によっては大容量のテキストが表示されるので、 pager プログ ラ
ム を使う必要がある。例えば page コマンドはリモートファイルを取得し、そ
の閲覧のためにページャを使用する。 pager フィールド(もしくはコマンド ラ
インフラグ)によって、 NcFTPで使用するページャを指定できる。
リ モートホストとローカルホストの間でファイルを転送するとき、NcFTP は転
送の状態を示す progress meter を表示する。何種類かあるので 、 Progress
meter フィールドを変えれば、他のものを試すことができる。
Remote messages フィールドを変えると、リモートサーバのおしゃべりをどれ
くらい表示するかを制御できる。 NcFTPは全てのエラーメッセージを表示す る
が 、リモートサーバのメッセージの多くはあまり役に立たない。表示するに値
するメッセージは2つくらいである。一つめは startup message である。典型
的 には、サーバーに接続したときサーバについて幾つかの重要な情報を表示す
る。サーバによっては特定のディレクトリに入ったときに chdir messages を
表示する。 Remote messages フィールドをトグルすることによりこれらのメッ
セージを表示するか指定できる。
デフォルトでは、NcFTPを実行している間、ローカルマシンのディレクト リ は
NcFTPを実行した時点のディレクトリになる。よってダウンロードはそのディレ
クトリに行われる。私は自分がダウンロードするものは指定したディレクト リ
‘‘download directory’’ を使用するのが好みである。これは quotaの容量を超
えたり、他のファイルを上書きすることを妨げるからである。 NcFTPの起動 時
に ローカルディレクトリを変更するには Startup in Local Dir フィールドを
設定すればよい。これにより、ダウンロードしたファイルのありかがわかる よ
うになる。
NcFTPの自身にも、表示したくなくなるような退屈なメッセージがいくつか存在
している。プログラムが ‘‘splash screen’’ やプログラムの tip (ちょっと気
の きいた利用法) 情報を表示するかは、 Startup messages で変えることがで
きる。
リモートファイルを取得するとき、デフォルトではNcFTPはリモートファイルと
同じ更新時刻をローカルファイルにも設定しようとする。 File timestamps フ
ィールドを変更することによりこれを無効にすることができる。
フルスクリーンの使用を好まないのなら、 Screen graphics フィールドを変更
することにより行指向のモードを使用することができる。一度 プレファレンス
スクリーンから ビジュアルモードをオフにすると、 ラインモードを使用し て
いるときに再度 プレファレンススクリーンに戻ることはできない。ビジュアル
モードに戻るためには、 ‘‘-V’’ フラグをつけてNcFTPを起動する。例えば以下
のようにする。
ncftp -V
コマンドリファレンス
NcFTPのコマンドシェルがサポートしているコマンドについて説明する。まず最
初に知っておくべきコマンドは help である。
help
とコマンドシェルから打てば
NcFTPはサポートしているコマンドの名前をすべて表示する。さらに helpの 後
に指定したコマンドを指定すれば、そのコマンドのヘルプが得られる。例えば:
open コマンドについての情報を表示するためには
help open
とする。
シェルエスケープコマンドは簡単で、エクスクラメーションマーク ! であ る
。サブシェルを起動するには、単に
!
と打てばよい。
1つのコマンドだけを実行させることもできる。以下のようにする:
!date +%H:%M:%S
cd コマンドはリモートホスト上でのワーキングディレクトリを変更する。リモ
ートサーバの異なるエリアへ移動するためにはこのコマンドを使う。新しい サ
イ トをオープンしたばかりの時には、ルートディレクトリにいるであろう。こ
のサイトに、例えば ‘‘/pub/news/comp.sources.d’’というディレクトリがある
、 という情報を聞いたとしよう。ここに移動するには、ルートディレクトリか
ら:
cd pub
cd news
cd comp.sources.d
もしくはより簡潔に
cd /pub/news/comp.sources.d
とすればよい。移動がすんだら、 get, put, ls のようなコマンドを使用す れ
ば 、そのディレクトリにあるアイテムを参照できる。 UNIX 環境の幾つかのシ
ェルでは直前にいたディレクトリにスイッチするような機能を持っている ( 私
の好む機能である)。それらのシェルのように
cd -
とすれば、直前にいたディレクトリに移動できる。
close コマンドはリモートサーバとの接続を切断する。 NcFTPは必要なときに
自動的にこれを実行するので、他のサイトをオープンしたり、プログラムを 終
了したりするときに、わざわざ手動で切断する必要はない。
create コマンドは、たまに使用する必要があるかもしれない。これはリモート
ホスト上に空のファイルを作成する。リモートサーバの管理者に接触できな い
が 、関係者の誰かが、あなたのファイルを目にしてくれるかもしれない場合に
役に立つかもしれない。例えば
create readline2.0.tar_is_corrupt
とすることによって、そのファイルを再投稿することをだれかに促すことが で
きるかもしれない。
debug コマンドは、基本的には作者自身とテスターのためのものである。デバ
ッグモードをオンにするためには、
debug 1
とする。こうすると、NcFTPとリモートサーバとの間のすべてのメッセージを見
る ことができる。この中にはデバッグモードのみで表示されるいくつかのメッ
セージが存在する。バグ報告をする場合には、 trace ファイルを送ってほしい
。このファイルを作成するには、NcFTPを走らせてから
debug trace 1
とする。
こ のときには、プログラムがどのようにコンパイルされたかがわかるように、
まず
version
と打って欲しい。
NcFTPを終了した後、 ~/.ncftp/trace ファイルの中身を emailに添付して私宛
に送ってもらえれば、私はその内容からバージョン情報も知ることができる。
dir コ マ ン ド は詳細なディレクトリのリストを表示する。これは UNIXの
‘‘/bin/ls -l’’ コマンドのような振る舞いをする。リモートサーバが UNIX ホ
ストなら、 ls と同じフラグも使うことができる、例えば
dir -rt
は UNIX 上の
/bin/ls -lrt
と同じように動作する。
echo コマンドはあまり便利には思えないかもしれないが、NcFTPのマクロで使
用すると有益なことがある。これは UNIX シェルの echo コマンドのように 動
作するが、いくつかの拡張フラグを使用できる。 ‘‘%’’ フラグはすべて ‘‘%’’
フラグはすべて strftime(4) を通して表示される。したがって
echo It is now %H:%M on %B %d.
と打てば、スクリーン上に以下のような表示を得ることができる。
It is now 19:00 on January 22.
‘‘@’’ フラグも存在し、NcFTPは以下のように展開する:
@H : 接続されたホストの名前。
@D : リモートホストの現在の作業ディレクトリのフルパス。
@J : リモートの現在の作業ディレクトリの短いパス名。
@N : 改行。
@n : 接続されたホストのブックマーク名。
例えば
echo "Connected to @H at %H:%M." >> junk
と打った後で ‘‘junk’’ の内容を見れば、以下のようになっている:
Connected to sphygmomanometer.unl.edu at 20:37.
get コマンドはファイルをリモートホスト上の現在の作業ディレクトリから あ
な たのマシンの現在の作業ディレクトリにコピーする。あなたのローカルディ
レクトリに ‘‘README’’ のコピーを置くためには、以下のようにすればよい:
get README
get コマンドは以下の ‘‘ダウンロードの特殊機能’’ で説明するようないく つ
かの強力な特徴を持っている。
bookmarks コマンドは ブックマーク エディタを実行する。これまでの内容を
読んでいれば、これが何をするものかを知っているはずである。 lcd コマンド
はローカルホストに作用する ‘‘l’’ コマンドの最初のものである。もし異なる
ローカルディレクトリにファイルをダウンロードしたければ、ディレクトリ を
変えるために lcd を使ってディレクトリを変更してからダウンロードすればよ
い。
その他の手頃なローカルコマンドとしては、 lls コマンドがある。これはロー
カ ルホスト上の ‘‘/bin/ls’’を実行し NcFTPのウインドウに結果を表示する。
コマンドシェルの ls と同じフラグを lls にも用いることができる。例えば:
lcd ~/doc
lls -lrt p*.txt
NcFTPには、ネームサービスへのインターフェースも組み込まれている。これに
は lookup コマンドを用いる。つまり以下のようにすれば、リモートホストの
エントリを検索できるのである:
lookup cse.unl.edu ftp.cs.unl.edu sphygmomanometer.unl.edu
以下のように表示される:
cse.unl.edu 129.93.33.1
typhoon.unl.edu 129.93.33.24
sphygmomanometer.unl.edu 129.93.33.126
より詳細に表示することもできる。‘‘-v’’を用いればよい。例えば:
lookup -v cse.unl.edu ftp.cs.unl.edu
以下のように表示される:
cse.unl.edu
Name: cse.unl.edu
Address: 129.93.33.1
ftp.cs.unl.edu:
Name: typhoon.unl.edu
Alias: ftp.cs.unl.edu
Address: 129.93.33.24
IP アドレスを与えることもできる。つまり次のような指定も可能である:
lookup 129.93.33.24
以下のように表示される:
typhoon.unl.edu 129.93.33.24
lpage コマンドを用いると、ローカルファイルを一度に一つだけ見ることが で
きる。デフォルトでは、NcFTPはファイルを表示に設定されているページャプロ
グラムを使用する。 ‘‘-b’’フラグを指定すれば、組み込みのページャを使うこ
ともできる。例えば:
lpage -b ~/.ncftp/bookmarks
lpwd コマンドは現在のローカルディレクトリを表示する。ローカルマシン上で
どこのディレクトリにいるのかを忘れたときにこのコマンドを使うと良い。 ls
コ マ ンドはディレクトリのリストを簡潔に表示する。 UNIXの ‘‘/bin/ls -CF
’’ コマンドのように振る舞おうとする。もしリモートのサーバーが UNIX ホス
トなら、 ls と同じフラグを使うことができる。例えば:
ls -rt
は UNIX 上での
/bin/ls -CFrt
のように振る舞おうとする。
mkdir コマンドはリモートホスト上で新しいディレクトリを作ろうとする。多
くの公的なサイトでは、利用者はそのような権限を持っていないであろう。
サーバによっては、特殊な転送モードを使用しなければならないこともある 。
多 くのサーバではデフォルトのモードである stream モードのみをサポートし
ている。NcFTPはstreamモードと同様に block モードもサポートする。この モ
ー ドを用いる最大の利点は、全ての転送に同じデータコネクションを用いるこ
とである。 stream モードで、NcFTPとサーバは各ファイル毎に新しいコネクシ
ョ ンを確立しなければならない。これは余計な時間と帯域を消費する。 block
モードにするには mode コマンドを使用する。
mode b
とタイプすればよい。ストリームモードを使用するためのコマンドは
mode s
である。リモートサーバがblockモードをサポートしており、その実装が正しい
こ とが分かったなら、NcFTPは自動的にblockモードに切り替わるので、このコ
マンドは使うべきでない。
open コマンドはリモートホストに接続する。フラグを使わずに単にホストに接
続 することが多いだろうが、実は open コマンドには、各種の機能を有効にす
るためのフラグが幾つか存在する。
強制的に匿名(anonymous)でオープンするには、‘‘-a’’フラグを使 用 す る 。
NcFTP の公式アーカイブサイトである ftp.ncftp.com マシン上で、私は匿名ロ
グインとユーザログインの両方を使用する必要がある。 ブックマーク エデ ィ
タ は前回使用したログインのタイプを記憶してしまうので、もし前回ユーザロ
グインであったならば、 ‘‘-a’’フラグを使用すれば ブックマーク エディタを
変更せずに匿名ログインに戻ることができるわけである。
同様に、強制的にユーザログインにするには ‘‘-u’’フラグを使用する。そのと
きは、アクセスするための自分のアカウント名とパスワードを入力する。
wuarchive.wustl.edu のような、巨大なアーカイブサイトの多くは混雑して い
る ので、それらに対する接続が保証されない。 NcFTPは、接続が成功するまで
定期的にサイトに ‘‘リダイアル’’ するようにできる。自動的にリダイアル す
るには ‘‘-r’’フラグを使用する。
リ ダイアルには固有のパラメータが幾つか存在する。リダイアルする間の遅延
時間を秒単位で設定できる。また、NcFTPがリダイアルをあきらめる最大回数を
設定できる。以下に、リダイアルモードの全機能を用いている例を示す:
open -r -d 75 -g 10 bowser.nintendo.co.jp
‘‘-r’’ で リ ダ イ アルモードにし、‘‘-d’’はリダイアル間隔を75秒にして、
‘‘-g’’フラグはリダイアルの回数を10回に限定している。デフォルトのリダ イ
アル設定にまかせてかまわなければ、 ‘‘-r’’のみを指定しても良い。
open コマンドはオープンするホスト名を与えなければ、 ブックマーク エディ
タを起動する。ホストを選択するために ブックマーク エディタからもホス ト
を 選択することができる。ホスト名を反転させて リターン(return) キーを打
てばよい。
page コマンドはリモートファイルを一度に一つだけ表示する。これは、リモー
ト ホスト上の README などのファイルをダウンロードせずに読むことができる
ので便利である。このコマンドはファイルを見るために Preferrences スク リ
ーンの中の pager フィールドに設定したものを使用する。
pdir と pls コマンドはそれぞれ dir と ls に等しい。ただし出力はページャ
へ送られる。これらのコマンドは line モードでの使用を念頭においている 。
デ ィレクトリのリストがオフスクリーンにスクロールしてしまうかも知れない
からである。もし、 ビジュアルモードでは、普通に ls すれば、オフスクリー
ンになる場合には組み込みのページャが自動的に起動する。それゆえ、 ビジュ
アルモードで pdir と pls を使用することは奨めない。
redir と predir コマンドは最後に取ったディレクトリのリストを再表示す る
ものである。 NcFTPは最後に行った dir もしくは ls コマンドからの出力を保
存するので、それを再び見たいときに、ネットワークの帯域を浪費せずにす む
。 predir コマンドは出力をページャに渡すことを除いて redir と同じである
。
predir コマンドは出力をページャに渡すことを除いて redir と同じである。
私の使い方では、接続の多くはダウンロードのためで、アップロードはほと ん
ど必要としなかった。しかし put コマンドもちゃんと存在していて、リモート
ホストへファイルをアップロードすることができる。例えば、いくつかのフ ァ
イルをリモートホストに送りたいならば、以下のようにすればよい:
lcd ~/docs/files
put 02.txt 03.txt 05.txt 07.txt 11.txt
put コマンドはあなたがリモートホスト上に正当な許可属性を持っていない場
合には動作しない。また、このコマンドは ‘‘-z’’オプションを除いて get コ
マンドが持っているような特別な機能を持っていない。
pwd コマンドは現在のリモートディレクトリを表示する。 ビジュアルモードで
は、これはステータスバーに表示される。
リモートファイルの名前は変更したいときには、以下のように rename コマ ン
ドを使用すればよい:
rename SPHYGMTR.TAR sphygmomanometer-2.3.1.tar
NcFTP の 使用を終了するには、もちろん quit と打てば良い。 ( bye、 exit,
^D などのコマンドも利用できる。)
quote コマンドを使えばリモートサーバへ直接 FTP プロトコルを送ることがで
きる。通常、これは一般的なユーザにとっては使いやすいものではない。
rhelp コマンドは、リモートサーバにヘルプリクエストを送信する。 FTP プロ
トコルのコマンドリストが表示されることが多い。たまには、実際に有用な (
サイト管理者への連絡方法など) が表示されることもある。
リ モートサーバによっては、サーバへ以下のようなパラメータを与えることも
可能かもしれない:
rhelp NLST
そのようなサーバは以下のように返答する:
Syntax: NLST [
コロナウイルスの日ごとの感染者数・死者数をグラフ化してみました。どの国が増加傾向にあり、どの国が終息に向かっているかを視覚化しています。
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