PPPOE-RELAY(8) PPPOE-RELAY(8)
名前
pppoe-relay - ユーザー空間 PPPoE リレーエージェント
書式
pppoe-relay [options]
説明
pppoe-relay は Linux で使われる PPPoE (Point-to-Point Protocol over
Ethernet) のユーザー空間リレーエージェントである。 pppoe-relay はクライ
ア ン ト pppoe とサーバー pppoe-server と連携して動作する。 pppoe-relay
の動作についての詳細は、このマニュアルで後にでてくる「動作」のセクシ ョ
ンを参照すること。
オプション
-S interface
イーサーネットインターフェース interface を pppoe-relay が管理す
るインターフェースのリストに追加する。 PPPoE サーバーだけが、 こ
のインターフェースに接続できる。
-C interface
イーサーネットインターフェース interface を pppoe-relay が管理す
るインターフェースのリストに追加する。 PPPoE クライアントだけ が
、このインターフェースに接続できる。
-B interface
イーサーネットインターフェース interface を pppoe-relay が管理す
るインターフェースのリストに追加する。 PPPoE クライアントとサ ー
バーの両方が、このインターフェースに接続できる。
-n num 最大 num 個の PPPoE セッションを許可する。指定されない場合のデフ
ォルトは 5000 である。 num は 1 〜 65534 の範囲である。
-i timeout
セッションのアイドルタイムアウトを指定する。セッションの接続先と
接 続元の両方が timeout 秒以上アイドルになっていた場合、そのセッ
ションを終了する。 timeout を 0 に指定すると、アイドルによりセッ
ションが終了されることはない。
アイドルセッションの満了をチェックするルーチンは、最も頻繁に実行
されたとしても 30 秒に 1 回であるので、最も短いタイムアウトの 値
も これに近い。 timeout のデフォルトの値は 600 秒 (10 分) である
。
-F -F オプションを指定すると、pppoe-relay はバックグラウンドに fork
されず、フォアグラウンドに残ったままになる。
-h -h オプションを指定すると、使用法についての簡単なメッセージを表
示して終了する。
動作
pppoe-relay は、-B または -C オプションで指定された全てのインターフェー
ス に入ってくる PPPoE PADI フレームを待ち受ける。 PADI フレームが入って
くると、 pppoe-relay は Relay-Session-ID タグを追加し、 -B または -S オ
プ ションで指定された全てのインターフェースに PADI をブロードキャストす
る。 (ただし PADI フレームが入ってきたインターフェースは除く)。
受信した全ての PADO フレームは、 (送られてきた PADI フレームに 有 効 な
Relay-Session-ID タグがあると仮定して) PADI を送ってきたクライアントに
リレーして戻される。同様に、クライアントからの PADR フレームは、マッ チ
したアクセス集信装置にリレーして戻される。
PADS フレームを受信すると、pppoe-relay は接続元と接続先の MAC アドレス
とセッション ID をハッシュテーブルに入れる。アクセス集信装置が監視す る
セ ッション ID は、クライアントが監視するセッション ID と異なるかもしれ
ない。 pppoe-relay はセッション ID が重複しないようにセッションの番号を
ふ り直さなければならない。接続元または接続先がセッションフレームを送信
すると、 pppoe-relay はハッシュテーブルにあるセッションエントリを参照し
、適切な接続相手にフレームを受け渡す。
PADT フレームを受信すると、pppoe-relay は接続相手に PADT フレームを受け
渡し、ハッシュテーブルからセッションエントリを削除する。
クライアントやサーバーがクラッシュした場合 (またはフレームが失われた 場
合)、 PADT フレームは送信されず、pppoe-relay のハッシュテーブルは失効し
たセッションで一杯になってしまう。そのため、セッションを掃除するルー チ
ン が定期的に実行され、ハッシュテーブルから古くなったセッションを削除す
る。 timeout 秒間データが流れていない場合、そのセッションは「古くなった
」 とされる。タイムアウトによりセッションが削除される場合、セッションが
kill されたことを知らせるために、接続元と接続先に PADT フレームが送られ
る。
起動方法の例
pppoe-relay -C eth0 -S eth1
上 記の例では、eth0 ネットワーク上の PPPoE クライアントと eth1 ネットワ
ーク上の PPPoE サーバーの間でフレームが受け渡される。
pppoe-relay -B eth0 -B eth1
これは透過的なリレーの例である -- eth0, eth1 ネットワークとクライアント
・サーバーのどの組み合わせでもフレームが受け渡される。
pppoe-relay -S eth0 -C eth1 -C eth2 -C eth3
この例では、eth0 ネットワーク上のサーバーと eth1, eth2, eth3 ネットワー
ク上のクライアントの間でフレームが受け渡される。
著者
pppoe-relay は David F. Skoll
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