REISERFSCK(8) REISERFSCK(8)
名前
reiserfsck - ReiserFS ファイルシステムのチェックツール
書式
reiserfsck [ -afprVy ] [ --rebuild-sb | --check | --fix-fixable |
--rebuild-tree | --clean-attributes ] [ -j | --journal device ] [ -z |
--adjust-size ] [ -n | --nolog ] [ -B | --badblocks file ] [ -l |
--logfile file ] [ -q | --quiet ] [ -y | --yes ] [ -S | --scan-whole-
partition ] [ --no-journal-available ] device
説明
reiserfsck はデバイス上の ReiserFS ファイルシステムを捜して、必要なトラ
ンザクションを再現する。さらに、ファイルシステムをチェックまたは修復 す
る。
device デバイスまたはパーティションに対応するスペシャルファイル (例えば
、/dev/hdXX は IDE ディスクパーティションで、 /dev/sdXX は SCSI
ディスクパーティションである)。
オプション
--rebuild-sb
このオプションは ReiserFS パーティションのスーパーブロックを復旧
する。このオプションが必要なのは、 ReiserFS ファイルシステムがあ
る にも関わらず、mount が「read_super_block: reiserfs ファイルシ
ステムが見つかりません (can’t find a reiserfs file system)」と表
示したときのみである。しかし、何らかのパーティション編集プログラ
ムを使用した後でファイルシステムが見つからなくなった場合は、再分
割のときに何か不具合が起こってパーティションの開始位置が変更され
たかも知れないということを思い出してほしい。もしそうならば、間違
った場所にスーパーブロックを再構築するのではなく、始めにパーティ
ションの正しい開始位置を見つけるべきである。
--check
デフォルトの動作であるこのオプションでは、ファイルシステムの整合
性をチェックするが、壊れたデータが発見されても修正は行わない。読
み込みのみでマウントされたファイルシステムに対しても使うことがで
きる。
--fix-fixable
このオプションは --rebuild-tree オプションなしで修正できる壊れた
データを復旧する。通常このオプションが必要なのは、 --check オ プ
シ ョ ン で 「--fix-fixable で修復可能な壊れたデータが見つかった
(corruption that can be fixed with --fix-fixable)」と表示され た
ときのみである。このオプションで行われるのは、データブロックへの
誤ったポインタのゼロ化・ディレクトリの st_size と st_blocksの 修
正・不正なディレクトリエントリの削除などである。
--rebuild-tree
このオプションは、デバイス上に見つかったリーフノード (leaf node)
を使って、ファイルシステムツリー全体を再構築する。通常このオプシ
ョ ンが必要なのは、 reiserfsck --check で「--rebuild-tree を付け
て実行する必要がある (Running with --rebuild-tree is required)」
と表示されたときのみである。 --rebuild-tree オプションを付けて実
行する場合は、パーティション全体のバックアップコピーを取っておく
こ とを強く推奨する。いったん reiserfsck --rebuild-tree を開始し
たら、動作を完了させなければならない (中断すべきではない)。完 了
しないと、ファイルシステムはマウントできない状態のままにされる。
これはその後のデータの破壊を防ぐためである。
--clean-attributes
このオプションは Stat-Data アイテムの予約フィールドをクリアす る
。かつては ReiserFS に拡張属性がなかった。拡張属性が実装されたと
き、最初に古いパーティションを何も書かれていない状態にする必要が
あった -- カーネルの ReiserFS のコードは構造体の使われていないフ
ィールドを考慮していなかった。そのため、古い (属性が実装される前
の) カーネルを ReiserFS ファイルシステムとともに使っていて、拡張
属性を使いたい場合は、最初にファイルシステムを何も書かれていない
状態にするべきである。
--journal device , -j device
このオプションは、現在のファイルシステムジャーナルのデバイス名を
指定する。このオプションは、メインデータのデバイスとは別のデバイ
スにジャーナルが存在する場合に必要である (エキスパートオプション
--no-journal-available を使用すれば、このオプションを使わない こ
ともできる)。
--adjust-size, -z
このオプションは、最後に見つかるバイトのオフセットよりもファイル
サイズが大きい場合に、 reiserfsck にファイルサイズを修正させる。
つまりファイルの末尾のホール (穴) が削除される。最後に見つかるバ
イトのオフセットよりもファイルサイズが小さい場合は、 --fix-fix-
able で修正される。
--badblocks file, -B file
このオプションは不正ブロックのリストを、指定された ‘file‘ で与え
られたブロックのリストに設定する。ファイルシステムの不正ブロック
の リストは、新しいリストが追加される前に削除される。 --fix-fix-
able を指定することで不正ブロックを修復できる (debugreiserfs -B
を 参照)。またブロックデバイスに不正なブロックがある場合は、毎回
--rebuild-tree オプションを付けなければならない。
--logfile file, -l file
このオプションは、reiserfsck に対して壊れたデータに関する情報 を
標準エラー出力ではなく指定したログファイルに書き出すようにさせる
。
--nolog, -n
このオプションは、reiserfsck に対して壊れたデータについて報告 し
ないようにさせる。
--quiet, -q
こ のオプションは、reiserfsck に対して進捗状況を表示しないように
させる。
--yes, -y
このオプションは reiserfsck に対して、「これから実行することをユ
ーザに提示した後で、ユーザの了承を得る」という動作をさせないよう
にする。 reiserfsck はユーザが了承すると仮定する。安 全 の た め
、--rebuild-tree オプションと一緒に指定すると、このオプションは
動作しない。
-a, -p 通常このオプションは、fsck -A により /etc/fstab にリストされてい
るパーティションを自動チェックするときに受け渡される。これらのオ
プションを使うと、 reiserfsck は指定されたファイルシステムの情報
を表示し、スーパーブロックにあるエラーフラグが設定されているかを
チェックし、簡単なチェックをいくつか行う。これらのチェックにより
、壊れたデータが明らかになったり、 (修正可能な) 壊れたデータを指
し示すフラグがスーパーブロックに設定されているのが見つかった場合
は、 reiserfsck は修正可能データの修正モードに移行する。修正不能
な壊れたデータを示すフラグが、スーパブロックに設定されているのが
見つかった場合、 reiserfsck はエラーを出して終了する。
-V このオプションは reiserfsprogs のバージョンを表示して終了する。
-r, -f これらのオプションは無視される。
エキスパートオプション
自分がやっていることが分からない場合は、これらのオプションを使っ
てはならない。これらのオプションを使った結果、データが失われたと
しても我々は責任はとらない。
--no-journal-available
このオプションを指定すると、ジャーナルデバイスが使用できない場合
でも reiserfsck を続行することができる。このオプションはジャーナ
ルがメインデータデバイスにある場合は影響しない。注意: この操作の
後には、reiserfstune により新しいジャーナルデバイスを指定しな け
ればならない。
--scan-whole-partition, -S
このオプションは --rebuild-tree のときに、パーティションの使用さ
れている領域だけでなく、パーティション全体をスキャンさせる。
reiserfsck の使用例
1. reiserfs パーティション /dev/hda1 に何か不具合があると思った場合、ま
た は単に定期的なディスクチェックを行おうとした場合に reiserfsck を使用
する。
2. reiserfsck --check --logfile check.log /dev/hda1 を実行する。 reis-
erfsck --check がステータス 0 で終了した場合は、エラーがなかったことを
示している。
3. reiserfsck --check がステータス 1 で終了して (かつ修正可能な壊れたデ
ータがあることが報告された) 場合は、 reiserfsck --fix-fixable --logfile
fixable.log /dev/hda1 を実行すべきである。
4. reiserfsck --check がステータス 2 で終了して (かつ致命的な壊れたデー
タがあることが報告された) 場合は、 reiserfsck --rebuild-tree を実行する
必要がある。 reiserfsck --check が何らかの理由で失敗した場合も、 reis-
erfsck --rebuild-tree を実行すべきである。ただしこの場合はバグレポート
として報告してほしい。
5. reiserfsck --rebuild-tree を実行する前に、パーティション全体のバック
ア ッ プ を取っておくこと。その後に reiserfsck --rebuild-tree --logfile
rebuild.log /dev/hda1 を実行すること。
6. reiserfsck --rebuild-tree のステップが失敗した場合、または期待してい
た 復旧が出来なかった場合は、バグレポートとして報告してほしい。プラット
フォームや Linux カーネルのバージョンを含むできる限りの情報を提供してほ
しい。我々は問題を解決する手助けをしようと思う。
終了コード
reiserfsck は以下の終了コードを使う:
0 - エラーなし。
1 - ファイルシステムのエラーが修正された。
2 - 再起動が必要である。
4 - ファイルシステムの致命的なエラーが
修正されないまま残されており、
reiserfsck --rebuild-tree を実行する必要がある。
6 - ファイルシステムの修復可能なエラーが
修正されないまま残されており、
reiserfsck --fix-fixable を実行する必要がある。
8 - 操作エラー。
16 - 使用法エラーまたは書式エラー。
著者
このバージョンの reiserfsck は Vitaly Fertman
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