cd .. の使い方を完全ガイド!初心者でもわかる親ディレクトリへの戻り方
生徒
「Linuxでフォルダを移動していたら、戻りたくなったんですが、どうすればいいんですか?」
先生
「そんなときは cd .. を使えば、一つ上の階層に戻れますよ。」
生徒
「上の階層?親ディレクトリってやつですか?」
先生
「そう、それが『親ディレクトリ』です!詳しく説明していきましょう。」
1. 親ディレクトリとは?
Linux(リナックス)の世界では、フォルダのことをディレクトリと呼びます。そして、フォルダの中に別のフォルダが入っている構造のことを階層構造といいます。
たとえば以下のような構造があったとします:
- /home/taro(ホームディレクトリ)
- /home/taro/Documents(ドキュメント)
- /home/taro/Documents/Work(仕事用)
この場合、/home/taro/Documents は /home/taro の中にあるので、/home/taro が「親ディレクトリ」となります。
2. cd .. の意味と基本の使い方
cd .. は、「一つ上の階層(親ディレクトリ)に戻る」ためのLinuxコマンドです。
.. は、Linuxの世界では「親ディレクトリ」を表す特別な記号です。
たとえば今、/home/taro/Documents にいるときに、親ディレクトリである /home/taro に戻るにはこうします:
cd ..
実行後に現在の場所(カレントディレクトリ)を確認してみましょう。
pwd
/home/taro
3. 実際に試してみよう(lsで確認)
今いるディレクトリの中身を確認するには ls を使います。隠しファイルも含めてすべて表示するには ls -a を使いましょう。
ls -a
. .. Documents Downloads Pictures
この中で、. は「現在のディレクトリ」、.. は「親ディレクトリ」を意味しています。
4. cd .. を繰り返すとどうなる?
cd .. を繰り返すと、どんどん上の階層に移動していきます。次のように続けて打つこともできます:
cd ../..
これは「2つ上の階層に移動する」という意味になります。
例えば、現在の場所が /home/taro/Documents なら:
pwd
/home/taro/Documents
cd ../..
pwd
/home
5. 絶対パスと相対パスの違いも理解しよう
Linuxでは、ディレクトリの指定方法に「絶対パス」と「相対パス」があります。
- 絶対パス:スラッシュ(
/)から始まるフルパス(例:/home/taro) - 相対パス:現在の場所を基準とした指定方法(例:
cd ..)
cd .. は、現在の場所を基準にして「ひとつ上に移動する」相対パスの一種です。
6. よくあるミスと注意点
初心者がついやってしまいがちなミスも紹介します。
- スペルミス:
cd..のようにスペースを入れない。正しくはcd ..です。 - 大文字にしてしまう: Linuxは大文字と小文字を区別します。
CD ..はNG。 - 戻れる場所がない: ルートディレクトリ(
/)にいると、それ以上戻れません。
以下はルートディレクトリにいるときの例です:
pwd
/
cd ..
pwd
/
このように、最上階層では cd .. を実行しても変化はありません。
7. cd .. を使ったファイル管理の便利技
Linuxではコマンドラインでの移動が基本です。cd .. を上手に使うと、階層の深い場所からでも素早く戻れるので非常に便利です。
たとえば、次のような場所にいたとします:
/home/taro/Projects/2025/September
ここから2つ上に戻るには:
cd ../..
pwd
/home/taro/Projects
長いパスをすべて打たなくても済むので、作業効率が格段に上がります。