カテゴリ: Linuxコマンド集 更新日: 2026/08/17

less -Xオプションの使い方を完全ガイド!終了後も画面内容を残す方法

less -Xオプション|終了後も画面内容を保持する
less -Xオプション|終了後も画面内容を保持する

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「Linuxでlessコマンドを使ってファイルを見たあと、画面の内容が消えちゃうのが不便なんです…。」

先生

「それはlessコマンドの仕様ですね。でも、-Xオプションを使えば、画面をクリアせずに内容をそのまま残せますよ。」

生徒

「それは助かります!どんなときに使うんですか?設定方法も教えてください!」

先生

「もちろん!less -Xオプションの基本と活用方法を一緒に見ていきましょう。」

1. lessコマンドとは?

1. lessコマンドとは?
1. lessコマンドとは?

lessは、LinuxやUnix系OSでテキストファイルの内容を効率よく閲覧するためのコマンドです。プログラミング未経験の方には「中身を見る専用のメモ帳」のようなものだとイメージすると分かりやすいでしょう。

最大の特徴は、大きなファイルでも動作が非常に軽いことです。一度に全てのデータを読み込まず、画面に表示する分だけを読み込むため、数万行あるような巨大なログファイルでも瞬時に開くことができます。

具体的な利用シーンとしては、以下のようなケースが挙げられます。

  • システムが記録したエラーログを確認する
  • サーバーの設定ファイルに何が書かれているかチェックする
  • プログラムのソースコードを読み進める

例えば、初心者の方が自分のホームディレクトリにある設定ファイルを確認したい時は、次のように実行します。


less .bashrc
# .bashrc file symbols and aliases
# ...(ここにファイルの内容が表示され、上下キーでスクロールできます)

表示中は、キーボードの矢印キーで1行ずつ進んだり、Spaceキーでページ単位の移動が可能です。さらに、スラッシュ / を入力した後にキーワードを打てば、特定の文字列を検索することもできます。このように、「編集はしたくないけれど、じっくり中身を調べたい」という時に、これ以上なく便利なツールです。

操作を終えて元の画面に戻りたい時は、キーボードの q (Quitの略)を押すだけです。この「終了すると表示が消える」という標準の挙動を、次の章で解説する -X オプションでカスタマイズしていきます。

2. -Xオプションの基本的な使い方

2. -Xオプションの基本的な使い方
2. -Xオプションの基本的な使い方

-Xオプション(正式名称は --no-init)は、lessコマンドの動作をカスタマイズし、終了後もターミナルの画面にファイル内容を残すための設定です。

通常、lessコマンドは「端末の初期化」という処理を行うため、閲覧を終えて q キーで終了すると、表示されていたテキストが消えて、コマンドを打つ前の綺麗な画面に戻ります。しかし、-X をつけることでこの初期化プロセスをスキップし、最後に見ていた内容をターミナルの履歴(ログ)として画面上に保持できます。

基本的な使い方は、コマンドの直後に -X を入力し、その後にスペースを空けてファイル名を指定するだけです。


less -X ファイル名

プログラミング未経験の方でも分かりやすいように、具体的な例を見てみましょう。例えば、挨拶が書かれた hello.txt というファイルの中身を、画面に残したまま確認したい場合は以下のように入力します。


less -X hello.txt
Hello World!
Welcome to Linux.
(ここでqキーを押して終了)
user@localhost:~$ 

このコマンドを実行すると、hello.txt の中身が画面に表示されます。そして q を押してコマンドラインに戻った後も、上記のように Hello World! などのテキストが消えずに残っているはずです。これにより、ファイルの内容をチラ見しながら次のコマンドを打つといった作業が非常にスムーズになります。

3. -Xを使うと便利なシーン

3. -Xを使うと便利なシーン
3. -Xを使うと便利なシーン

-Xオプション(--no-init)が真価を発揮するのは、「表示された情報を書き留めたり、再利用したりしたいとき」です。初心者の方が直面しやすい、具体的な3つの活用シーンを見てみましょう。

1. 表示内容をコピー&ペーストしたいとき

サーバーの設定ファイルやエラーメッセージを誰かに共有したい場合、画面から文字をマウスでドラッグしてコピーする必要があります。通常のlessでは終了すると文字が消えてしまいますが、-Xを使えば終了後もターミナルに文字が残るため、落ち着いてコピー作業ができます。

2. 画面上の情報を「カンニング」しながら作業したいとき

例えば、設定ファイルに書かれた複雑なパス(ファイルの住所)を見ながら、別のコマンドを打ちたい場面を想像してください。


less -X config.txt
PATH=/var/www/html/data/storage
(qキーで終了)
cd /var/www/html/data/storage

このように、直前に表示した内容が「コマンド履歴」のすぐ上に残っているため、わざわざメモを取らなくても画面を見上げながら次の入力を進められます。これが非常に効率的なのです。

3. 学習中の「備忘録」として残したいとき

Linuxの学習をしていると、先ほど実行したコマンドの結果を振り返りたくなることがあります。-Xを使っていれば、画面をスクロールバックするだけで過去に表示したファイル内容を確認できるため、学習の記録が途切れず、理解を深める助けになります。

通常のlessは「画面を汚さない」というメリットがありますが、実務や学習においては、このように「情報を画面にストックしておく」ことができる -X オプションの方が、格段にストレスを減らせるはずです。

4. 実行前と実行後の違いを比較しよう

4. 実行前と実行後の違いを比較しよう
4. 実行前と実行後の違いを比較しよう

実際にオプションがある場合とない場合で、ターミナルの挙動がどう変わるのかを具体的にシミュレーションしてみましょう。まずは、練習用に以下のような3行のテキストが入った sample.txt というファイルがあると仮定します。


cat sample.txt
Line 1: Linux is powerful
Line 2: less command helps navigation
Line 3: You can scroll and search easily

通常の less コマンドを実行した場合(オプションなし)

まずは、何もオプションをつけずにファイルを開いてみます。ファイルを確認したあと、キーボードの q を押して終了した後の画面に注目してください。


less sample.txt
(閲覧画面が表示されるが、qキーで終了すると...)
user@localhost:~$ 

このように、終了した瞬間にファイルの内容がパッと消えてしまい、コマンドを打つ直前の状態にリセットされます。画面が散らからないという利点はありますが、内容をメモしたいときには不便です。

less -X オプションを実行した場合

次に、今回の主役である -X オプションをつけて実行してみます。終了後のターミナル画面がどう残るかを確認してください。


less -X sample.txt
Line 1: Linux is powerful
Line 2: less command helps navigation
Line 3: You can scroll and search easily
(qキーで終了)
user@localhost:~$ 

終了しても、ファイルの内容がターミナルの表示履歴としてそのまま残っています。これが -X オプション(別名:初期化抑止)の効果です。画面をクリアする「端末初期化」を行わないため、直前の情報をカンニングしながら次の作業をスムーズに開始できます。

5. 他のオプションとの組み合わせ例

5. 他のオプションとの組み合わせ例
5. 他のオプションとの組み合わせ例

less -Xの真価は、他の便利なオプションと組み合わせることでさらに発揮されます。特に、ログファイルや長い設定ファイルを読み解く際に役立つ「最強の組み合わせ」をご紹介します。

初心者の方がまず覚えるべきは、以下の2つのオプションです。

  • -N (Line Numbers):各行の左側に「行番号」を表示します。エラーが何行目で起きているか特定するのに必須です。
  • -S (Chop Long Lines):長い行を折り返さず、1行として表示します。画面がスッキリし、横スクロールで見やすくなります。

これらを -X と合体させて、一度に実行してみましょう。例えば、システムログ(example.log)を確認するシーンを想定します。


less -XSN example.log
      1 2026-02-05 09:00:01 [INFO] System started.
      2 2026-02-05 09:05:12 [ERROR] Database connection failed at /var/www/html/config...
      3 2026-02-05 09:10:45 [DEBUG] Retrying connection in 30 seconds...
(qキーで終了)
user@localhost:~$ 

このコマンド(less -XSN)を使うと、次のようなメリットがあります。

ここがポイント!

  • 行番号(-N)があるおかげで、情報の場所を一目で特定できる。
  • 折り返し(-S)がないので、表形式のデータも崩れずに確認できる。
  • 終了後(-X)も内容が残るため、表示された行番号を参考にしながら、すぐに次の修正コマンド(viやnanoなど)を打つことができる。

このように、複数のオプションを「数珠つなぎ」にすることで、ターミナルでの作業効率は劇的に向上します。まずはこの -XSN というセットを指に覚え込ませておくと、実務でも非常に重宝するでしょう。

6. lessとcatの違いを理解しよう

6. lessとcatの違いを理解しよう
6. lessとcatの違いを理解しよう

Linuxでファイルの中身を確認する際、lessとよく比較されるのがcat(キャット)コマンドです。どちらも「中身を見る」という点では同じですが、その仕組みは大きく異なります。

catは、ファイルの内容を「一気にすべて」ターミナルに流し込むコマンドです。短いファイルなら問題ありませんが、数百行あるような長いファイルで実行すると、画面が文字で埋め尽くされ、一番下の数行しか見えなくなってしまいます。

具体的に、少し長いテキストファイルを表示した時の違いをシミュレーションしてみましょう。


cat long-text.txt
(1行目から500行目までが超高速でスクロールし、最後に末尾だけが残る)
user@localhost:~$ 

対して、less「1画面ずつ」表示します。読み進めるにはキー操作が必要ですが、巨大なファイルでもメモリを消費せず、見たい場所をじっくり探せるのが強みです。今回紹介している -X オプションを組み合わせれば、「catのように画面に内容を残しつつ、lessのように自由にスクロールする」という、いいとこ取りの使い方が可能になります。

比較ポイント catコマンド less -X コマンド
表示の仕組み 全内容を一括出力 1画面ずつ表示(ページャ)
操作性 表示してすぐ終了 上下スクロールや検索が可能
得意なファイル 数行程度の短い設定ファイル 長いログやプログラムのコード
終了後の画面 必ず内容が残る -X オプションにより内容を残せる

特にエラーログの解析や、設定ファイルを見ながら別のコマンドを打ちたい時は、less -X を使って画面に情報を保持しておくスタイルが、プロの現場でも推奨されています。

7. エイリアスで毎回指定しなくて済む方法

7. エイリアスで毎回指定しなくて済む方法
7. エイリアスで毎回指定しなくて済む方法

-Xオプションの便利さがわかってくると、毎回コマンドを打つたびに -X を入力するのが手間に感じてくるかもしれません。そんな時は、「エイリアス(別名)」という機能を使うのがおすすめです。

エイリアスとは、長いコマンドに短いニックネームを付ける機能のことです。これを設定すれば、ただ less と打つだけで、コンピュータが自動的に less -X と読み替えて実行してくれるようになります。

設定は、自分のホームディレクトリにある .bashrc という名前の設定ファイルに1行書き加えるだけです。プログラミング未経験の方でも、以下の手順を順番に実行すれば簡単に設定できます。


echo "alias less='less -X'" >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc

これで準備は完了です。正しく設定できたか、実際に less だけで実行して確認してみましょう。オプションを付けなくても、終了後に内容が残れば成功です。


less .bashrc
(ファイルの中身が表示される。qで終了する)
# .bashrc
alias less='less -X'
user@localhost:~$ 

設定のポイント

  • echo コマンド:指定した文字列をファイルに書き込みます。
  • source コマンド:変更した設定ファイルを、今すぐ現在の画面に反映させます。
  • 一度設定してしまえば、次回ログインしたときからもずっと有効になります。

もし -X 以外にも、前章で紹介した -N(行番号表示)などを常に出したい場合は、alias less='less -XN' のように書き換えることで、自分好みの最強の閲覧コマンドにカスタマイズすることも可能です。

まとめ

まとめ
まとめ

lessコマンドと-Xオプションの本質を理解しよう

本記事ではLinuxコマンドの中でも非常に使用頻度の高いlessコマンドと、その拡張機能である-Xオプションについて詳しく解説しました。 Linux初心者の方にとって、lessコマンドはファイル閲覧の基本であり、ログ確認や設定ファイルのチェックなど日常的に使う重要なコマンドです。 特にサーバー運用やシステム開発の現場では、巨大なログファイルや設定ファイルを扱う場面が多く、効率的に内容を確認できるlessコマンドは必須のスキルといえます。 その中でも-Xオプションは、通常のlessコマンドの挙動を大きく変える重要な機能であり、作業効率を高めるための強力なテクニックです。 Linux環境での作業効率を向上させるためにも、lessコマンドと-Xオプションの理解はしっかりと身につけておきましょう。

-Xオプションの最大のメリットは画面の保持

less -Xオプションの最大の特徴は、コマンド終了後も画面内容をそのまま残せる点にあります。 通常のlessコマンドでは、閲覧終了と同時に画面がクリアされてしまうため、内容を再確認したい場合には再度コマンドを実行する必要があります。 しかし-Xオプションを使うことで、直前に表示していた内容をそのままターミナルに残すことができ、作業の流れを止めることなく次の操作へ進むことが可能になります。 この特徴は、Linux初心者だけでなく、実務で作業するエンジニアにとっても非常に重要なポイントです。 特にログ確認や設定値の参照など、情報を見ながら別のコマンドを実行する場面では大きな効果を発揮します。


less -X sample.txt
Line 1: Linux is powerful
Line 2: less command helps navigation
Line 3: You can scroll and search easily

このように終了後も内容が残るため、次の作業にスムーズにつなげることができます。

Linux初心者にとっての活用メリット

Linux初心者の方にとって、less -Xオプションは学習効率を高める重要な機能です。 画面に情報が残ることで、先ほど確認した内容をすぐに振り返ることができ、理解の定着につながります。 また、コマンド結果を見ながら次のコマンドを入力できるため、操作ミスの防止にもつながります。 特にパスや設定値などを確認しながら操作する場面では、-Xオプションの有無で作業効率に大きな差が出ます。 Linuxコマンドに慣れていない段階では、こうした小さな効率化が積み重なり、作業のストレスを大きく軽減します。 そのため、初心者の段階から積極的にless -Xを活用することをおすすめします。

他のオプションと組み合わせてさらに便利に

less -Xオプションは単体でも便利ですが、他のオプションと組み合わせることでさらに強力になります。 例えば-Nオプションで行番号を表示し、-Sオプションで長い行の折り返しを防ぐことで、ログファイルや設定ファイルの可読性が大幅に向上します。 Linuxの現場では、これらのオプションを組み合わせて使用することが一般的であり、効率的な作業のための基本テクニックとなっています。 特にログ解析では行番号と内容を同時に確認することが重要であり、less -XSNのような組み合わせは非常に実用的です。


less -XSN example.log
1  INFO  System start
2  ERROR Database error
3  DEBUG Retry process

このように複数のオプションを組み合わせることで、より実務に近い操作が可能になります。

catコマンドとの違いも理解して使い分ける

lessコマンドとcatコマンドの違いを理解することも重要です。 catコマンドはファイル内容を一気に表示するため、小さなファイルには適していますが、大きなファイルでは内容が流れてしまい確認しづらくなります。 一方でlessコマンドはスクロールや検索機能を備えており、大量のデータを扱う際に非常に便利です。 さらに-Xオプションを加えることで、閲覧後も情報を保持できるため、catコマンドにはない柔軟な使い方が可能になります。 Linux初心者の方は、用途に応じてこれらのコマンドを使い分けることが大切です。


cat sample.txt
Line1
Line2
Line3

表示方法の違いを理解することで、適切なコマンド選択ができるようになります。

エイリアス設定でさらに効率化する

毎回less -Xと入力するのが面倒な場合は、エイリアスを設定することで自動化することができます。 Linuxではよく使うコマンドに対してエイリアスを設定することで、作業効率を大幅に向上させることができます。 特にlessコマンドは使用頻度が高いため、-Xオプションをデフォルトにしておくと日々の作業が非常に快適になります。 エイリアス設定は初心者でも簡単に行えるため、ぜひ活用してみてください。


echo "alias less='less -X'" >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc

この設定により、常に画面保持機能付きのlessコマンドを使用できるようになります。

less -XはLinux操作の効率を大きく高める重要テクニック

less -Xオプションは単なる小さな機能のように見えますが、実際にはLinuxでの作業効率を大きく向上させる重要なテクニックです。 画面に情報を残すことで、確認作業やコピー操作、コマンド入力がスムーズになり、作業全体の流れが途切れなくなります。 特にログ解析や設定変更などの作業では、情報を見ながら次の操作を行う場面が多いため、この機能の重要性は非常に高いです。 Linux初心者の方も、日常的にless -Xを使うことで、自然と効率的な操作が身についていきます。 繰り返し使いながら、自分の作業スタイルに合わせて活用していきましょう。

先生と生徒の振り返り会話

生徒

「less -Xって、ただ画面が消えないだけかと思っていましたが、すごく便利ですね。」

先生

「そうですね。実際の現場では、この違いが作業効率に大きく影響します。」

生徒

「内容を見ながらコマンドを打てるのが特に便利だと感じました。」

先生

「その通りです。ログ確認や設定作業では特に役立ちます。」

生徒

「エイリアス設定もやってみたいです。」

先生

「ぜひ試してみてください。毎日の作業がかなり楽になりますよ。」

生徒

「これからはlessを使うときは必ず-Xを意識します。」

先生

「良いですね。その積み重ねがLinuxスキルの向上につながります。」

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