lessコマンドとは?Linuxでページャーを使ってファイルを閲覧する基本
生徒
「Linuxでファイルの中身をゆっくり見たいんですが、全部一気に表示されて困ってます…」
先生
「その場合はlessコマンドを使えば、ページ単位でゆっくりファイルの中身を見ることができますよ。」
生徒
「ページ単位ってどういうことですか?」
先生
「画面に収まる範囲ずつ表示して、矢印キーでスクロールできる仕組みです。実際に使ってみましょう!」
1. lessコマンドとは?Linuxの基本ページャー
lessコマンドは、Linuxでファイルの中身を1ページずつ確認できるページャーと呼ばれるツールのひとつです。通常、catコマンドでファイルを表示すると、内容が一気に表示されてしまい、長いファイルでは先頭や途中の内容が見えなくなることがあります。
しかしlessを使えば、矢印キーやスペースキーを使って、ページを上下に移動しながらゆっくりと内容を読むことができます。長いテキストファイルやログファイルを見るときにとても便利です。
2. lessコマンドの基本的な使い方
基本的な構文は以下の通りです。
less ファイル名
例えば、sample.txtというテキストファイルを開くには次のようにします。
less sample.txt
このコマンドを実行すると、ファイルの中身が1ページずつ表示されます。スクロールには以下のキーが使えます。
- ↓:1行下へ
- ↑:1行上へ
- スペース:1ページ下へ
- b:1ページ上へ
- q:終了
3. lessとcatの違いは?
catコマンドとlessコマンドの違いは、表示方法にあります。
- cat:ファイルの内容を一気に全部表示する
- less:1ページずつ表示しながらスクロールして読める
たとえば、ログファイルのような大量のデータを含むファイルをcatで表示すると、端末に全部流れてしまって読みにくくなりますが、lessならじっくり確認できます。
4. lessコマンドの便利なオプション
lessには、ファイルをより効率的に閲覧するためのオプションがあります。いくつか代表的なものを紹介します。
・行番号を表示する:-N
行番号を左側に表示してくれるオプションです。
less -N sample.txt
・長い行を折り返さずに表示:-S
1行が長い場合に横スクロール可能にし、折り返さず表示します。
less -S sample.txt
・検索する:/キーワード
less中に/を押してからキーワードを入力すると、その文字列を検索できます。
例:/errorと入力すると、「error」という文字がある行にジャンプします。
5. 他のコマンドと組み合わせて使う
lessは、他のコマンドの出力を表示するためにも使えます。パイプ(|)を使って、結果をlessに渡すことで、表示を見やすくできます。
・psコマンドと組み合わせる
ps aux | less
現在動作中のプロセス一覧がlessでページ単位に表示されます。
・dmesgの結果を読む
dmesg | less
カーネルメッセージなど、長い出力もlessで楽に確認できます。
6. rootユーザーでlessを使う例
管理者ユーザー(root)としてログファイルなどを確認する場合もあります。そのときもlessは使えます。
less /var/log/syslog
/var/log/syslogはシステムログファイルの一つで、管理者権限が必要なことがあります。
7. lessを終了するときは?
lessでファイルを見終えたら、qキーを押せば終了できます。慣れてくると、lessはシステム管理やテキスト処理の強力な味方になります。